井上奈奈著「星に絵本を繋ぐ」発売 出版記念展 at 文喫(2021/10/15トークイベント)

絵本作家の井上奈奈さんの新刊本「星に絵本を繋ぐ」が2021年10月6日に雷鳥社より刊行されました。

鮮やかなブルーのカバーには、馬に乗った少女と星が描かれていますが、本のスピン(ブックマーク)がリボン素材で本の下に付けてあり馬の尻尾のようになっています。

本書が生まれたきっかけは、2019年3月に著者の絵本作家の井上奈奈さんを講師に迎えて始まった、”ゼロからギャラリーで発表まで絵本作家と創る「絵本創作ワークショップ」” です。今回微力ながらgallery kissaの私も制作のお手伝いをさせていただきました。このワークショップは全6回の日程でプロ・アマ問わず、絵本の作り方を井上さんから学びながら制作を進めます。ワークショップの最終日に手で製本作業を行い。製本を終えた後、ギャラリーで世界で一冊だけの絵本の展示を行います。約3か月で、構想から絵本の物語制作から、絵の制作をして、製本と展示をしなければいけないので、参加者にとっては大変な作業ですが、面白い作品が沢山生まれて、毎回驚かされてます。そしてなにより受講生が絵本を出版される日が早く来ないかと願ってやみません。ワークショップのアイディアは、井上さんが美大生の時に課題で3日という超短期で絵本を作ったという経験から生まれたようです。

第五期生の製本日(2021年6月)の風景 さがあまねさんは最年少の10歳でワークショップに参加

井上さんから、絵本創作ワークショップの3期の展示を終えたころに「色々絵本づくりのノウハウがわかってきたので本にしてみたい」と相談を受けたところから始まりました。雷鳥社ならばきっと企画を面白がってもらえるのではと、持ち込みしてみることにしました。出版社の雷鳥社とは、彫刻家はしもとみおさんの著書「はじめての木彫りどうぶつ手習い帖」でもお世話になった出版社ですがほぼ即決で企画が進みました。前回もお世話になった文京図案室というデザイン事務所との共同作業がとても楽しかったこともあり、ブックデザインも文京さんの芝さんで!とお願いしました。

井上奈奈さんのアトリエで著書の絵本撮影 左から芝さん、鈴木さん、井上さん

企画段階では、絵本ワークショップのような絵本作りのハウツー本的な話がメインだったのですが、本の構成を考えるうちに、アート作品のような美しい井上さんの絵本の作品集のボリュームを増やそうというデザイナーの芝さんからの提案が自然な流れで決まりました。そこで、デザイナー芝さんの一押しのカメラマンの鈴木さんに、本に使う写真、全て撮りおろしていただくことになりました。全行程で著者の井上奈奈さん、雷鳥社の編集益田さん、文京図案室のデザイナー芝さん、カメラマンの鈴木さんと、私(gallery kissa)が本作りに関わっています。

また、絵本作りの話についても、ワークショップのように進めるより、直近に出版した「猫のミーラ」をどのように制作したのかという実例から、井上さんがどのようなことを大切にして絵本を作っているか、そしてそれを出版するまでの各工程を時系列で追うという話をメインにすることになりました。

巻頭の作品集では、出版編集者から、デザイナー、製本、印刷など、絵本づくりに関わった人たちの話を聞きつつ、インタビューと絵本の撮影をさせていただきました。それぞれの分野で本にかける情熱が本当に熱く、そして井上さんとの本制作を大事にされている事がひしひしと伝わってくる楽しい取材でした。

本を作りにあたって、井上さんの「美しいものをつくりたい」、目標に向かって「ありとあらゆる可能性を引き出す」。それには井上さん自身だけでなく、関わる人全ての力を最大限に使って成し遂げるという不思議な能力を使ってのモノづくりがとても心地よい時間でした。著書の中でも随所でその能力が発揮される場面が登場します。

空想製本屋の本間あずささん
本間さんが製本屋をはじめるきっかけとなった栃折久美子さんの本

本では巻頭の作品集に続く、第2章の「絵本を作ることに大切にしている10のこと」が井上さんが最初に執筆された部分ですが、この最初の文章を読んだとき、背筋がピンと伸びるような研ぎ澄まされた刃物のような文で感動しました。井上さん自身の評価では、ハウツー本なのにプライベートの話題が多く、多くの人に共感されないかもしれないと心配されていましたが、井上さんにはこのままのスタイルで自己を貫いていただいた方が、良い本が出来ると確信したので、ハウツー本ということは忘れてもらって、このままのスタイルでのびのびと書いていただくようにお願いし、編集者の益田さんも同様の意見でした。こういった企画段階とはまったくコンセプトが変わっても、万人受けでなくても本当に魅力的な本を作るということに神経を張りめぐらせているのが雷鳥社の素晴らしいところです。

とにかく最初から最後まで楽しい本作りでしたが、何よりも最終原稿を通しで読んだと時、「これはものすごい本が出来てしまった」とひしひしと感じました。

「猫のミーラ」出版編集者の小林えみさんが今年1月にオープンした、マルジナリア書店 by よはく舎
「ウラオモテヤマネコ」「せかいねこのひ」のデザイナー・サイトヲヒデユキさんの事務所
アトリエ事務所に置いてある、ありとあらゆるものがかっこいい
中野活版印刷店の活版
中野活版印刷店で使われているリソグラフ。このコンビニのコピー機みたいな印刷機(原理はガリ版印刷に近い)で「世界で最も美しい本コンクール2018」銀賞を受賞した「くままでのおさらい」の特装版印刷が行われた
長野の印刷所で撮影する予定が緊急事態宣言が発令中のため、都内での撮影となり、印刷博物館の貴重な印刷機が並ぶ展示室を特別に使わせていただきました。
印刷博物館。数えきれないほどの活字が並ぶが、これもほんの一部。ものすごい量の活字が保存されています。
「猫のミーラ」のデザイン会社 G_GRAPHICS INC.が運営する ondo GALLERY でも撮影をさせていただきました。
ondo GALLERYと藤原印刷の藤原さん

現在、10月1日~10月31日と長期にわたって、六本木の文喫にて、「星に絵本を繋ぐ」井上奈奈 出版記念展が開催されています。

「星に絵本を繋ぐ」井上奈奈 出版記念展 at 文喫 六本木

新刊本だけでなく、井上奈奈さんの著作絵本すべてが楽しめます。絵本の原画から、著書に登場する書籍など文喫全体をめぐって楽しめる仕掛けになっています。

「ウラオモテヤマネコ」表紙原画
「くままでのおさらい」コーナー

10月15日(金)19:30からは出版記念トークイベント「何処にもない本が生まれるまで」があります。本の制作メンバーが揃って、本づくりの過程やエピソードを熱く語る予定です。オンラインでも参加で楽しめますので、ぜひご参加ください。

トーク日から1週間はアーカイブでもご視聴いただけますので、聞き逃した方もアーカイブでぜひ。

参加申し込みURL https://hoshi-tsunagu-bunkitsu.peatix.com/

さらに、文喫での絵本ワークショップも開催される予定です。「文喫で絵本作家になる」2021年10月22日スタートとなっています。こちらも文喫のサイトから申し込みできますので、ご興味ある方ぜひご参加ください。ワークショップで完成した絵本が文喫で展示される予定です。とても貴重な体験となることでしょう。今から展示が楽しみです。

参加申し込み URL :https://ehonworkshop.peatix.com

墨田区の印刷所で表紙の色校の立ち合いをしました

本の原稿が完成し印刷所に入稿たあと、印刷所から校正紙が届くのですが、メンバー全員で色味や雰囲気などをチェックしました。この時、色校で送られてきた表紙の色がイメージとだいぶ遠かったので、印刷所の現場へ行き色の確認を井上さん、デザイナーの芝さんと3人で立ち合いをさせていただきました。

現場で希望する青の色味がなかなか再現できず、オペレーターに何度も試し刷りをしていただいたきました。「青色の中に赤味が感じられないようにしてもらいたい」という、井上さんからの無茶ぶりな要求で、職人さんも「指定の色には赤みが入っているから、難しい」とこぼしつつも、青インクの調色を色々調整していただきました。それでもインクを吸いやすい紙質で1度では理想の青が出ないので青の版を2つ使いたいという芝さんの要求にも、その場で版をもう一つ作っていただいたりもしました。最後には、井上さんが、「マティスのブルーがわかりますか?あの色を出したいんです」という、職人さんに向かって笑ってしまうような言葉が出てきたのですが、職人さんもそれでスイッチが入ったかのように、最終的には見事なマティスブルーの表紙が刷り上がりました。

色校用紙にOKのサインを入れる井上さん
色校の用紙に井上さんのOKのサイン。(蛍光灯のフリッカーが入ってしまいました)
デザイナーの芝さん。「ありがとうございます!」という気遣いが素敵

絵本作りだけでなく、モノづくりに関わる全ての方に届けたい本だと言えます。なによりも本を手に持っているだけでも何故かワクワクできる本です。気になった方はぜひ手に取ってみてください。

2021年10月 gallery kissa
瀧本佳成

星に絵本を繋ぐ
著者  ‏ : ‎ 井上奈奈
出版社 ‏ : ‎ 雷鳥社 (2021/10/6)
発売日 ‏ : ‎ 2021/10/6
単行本 ‏ : ‎ 144ページ
公式特設サイト ‏ : ‎ https://hoshiehon.wixsite.com/home

井上奈奈
作家、画家、時々選書。本に纏わる色々。京都府舞鶴市生まれ、東京都在住。16歳のとき、単身アメリカへ留学、美術を学ぶ。武蔵野美術大学卒業。国内外での個展やアートフェアにて作品発表を続け、近年は絵本作品を発表。2017年には著作の絵本『ウラオモテヤマネコ』『くままでのおさらい』の二作品が舞台化。2018年、絵本『くままでのおさらい』特装版がドイツライプツィヒにて開催された『世界で最も美しい本コンクール』にて銀賞を受賞。http://www.nana-works.com/

ノンストップ! 2021年7月21日放送 シルクスクリーンTシャツ作りに出演。必要道具を解説

2021年7月21日に放送された、フジテレビの朝の情報番組 ノンストップ! このシュミとまれの番組コーナーにて、スタジオ生趣味レーション シルクスクリーンプリントでTシャツづくりで、シルクスクリーンの講師として生出演させていただきました。

生放送の短い時間の中で、出演者の方々「楽しい」と言って取り組んでいただき、さらに全員に素晴らしいTシャツを作っていただけ、最高の時間でした。自分も15分程度の生放送で、描いて・製版して・Tシャツに刷るということが出来るとはオファー前は思っていなかったので驚きです。しかも出演者はぶっつけ本番で!さすがプロですね。

放送後、片付けに追われていて、完成したTシャツの写真を自分で取り忘れたのですが、スタッフの方が撮った写真をいただけたので、掲載させていただきます。

設楽さん
三上さん
角田さん
LiLiCoさん

改めて、ご視聴いただいた皆様ありがとうございます。番組を観てシルクスクリーンを面白いと思っていただけたら幸いです。また、番組作りの時に、夏休みの宿題や、自由研究としてもシルクスクリーンを楽しめるよう、なるべく専門の道具を利用せず、100均などで揃う道具だけでシルクスクリーンを行えるよう試案した方法をスタジオでは行っていただいてます。ただ、別途用意していた道具の紹介写真や使い方のVTRは使われないものが多く、こだわりポイントが全く伝わっていませんので、こちらにまとめさせていただきます。

身近なもので代用すれば3000円くらいでシルクスクリーンを始められますと思います。

まずは、100均で揃う道具一覧です。(以下すべてダイソーで買いましたが、キャンドゥ、セリア、ホームセンターなどでも、揃うと思います)

1.ART CANVAS キャンバス F4サイズ(334mm x 242mm) 200円商品
2.A4サイズ クリアファイル 半透明タイプ
3.黒のカラーボード 厚さ10mm
4.ペイントマーカー 黒
5.工作用タッカー 300円商品と、タッカーの専用針(別売り)
6.セロテープ
7.衣装ケース用 圧縮袋 Mサイズ(あまり大きくない方が扱いやすいです)
8.プラスチックスクレーパー(スタジオでは右の「まな板ヘルパー」をスキージの代用で使いました)
9.100ml 程度のフードコンテナ
10.プラスチック ミニスプーン
11.ヘラの先端の長さよりも長い、細長い容器(乳剤を塗るときに使います)
12.メラミンスポンジ
13.木枠より少し大きめのサイズの板(100均のMDFボード、写真に含まれません)
14.ウェットティッシュ (写真に含まれません)
15.乾いたタオル(写真に含まれません)
16.アイロン(写真に含まれません)

あと、シルクスクリーンで使う特殊な材料でネットや専門店でしか入手できないのは3点だけです。

17.シルクスクリーン用メッシュ 120M

18.ジアゾ感光乳剤(栗田化学研究所 SD-40)SD-40Rの方を自分は使っています。

19.シルクスクリーン用インク

道具は以上です。確かにまとめると、材料が沢山あるので、、、これを見て興味を無くす人が出るかもしれないという懸念が生じたのでしょう。生放送中では道具紹介はされませんでした。

1.~15.の道具を揃えて2000円ほどです。17.~19.の専門資材はご希望であれば、ギャラリーでも小分けして販売します シルクスクリーンメッシュの120Mは 0.5m 500円、インクは1色 100g 500円、感光乳剤は100g 500円です(税込)。F4サイズの木枠のメッシュ4枚分は作れます。16.のアイロンを除き、新たにすべての道具を揃えても、合計3500円ほどで始められます。木枠、タッカー、圧縮袋、ペイントマーカー以外は、身近にあるもので代用できると思います。ぜひ挑戦いただきたいです。

もし質問やわからないことがや、専門資材の購入についても、お気軽にお問合せください

専門資材について他の入手先をご紹介すると、メッシュはアマゾンで「 シルクスクリーン メッシュ 120M 」と検索していただき、テトロン100%もしくはポリエステル製というのを選んでください。1.5m x 2mのものが1200円程度で入手できます。インクはシルクスクリーン用インクで検索すると安いものでは各色 100g 660円くらいで販売しているようです。SD-40感光乳剤は、1kg で2500円です。ネットで検索いただくと2つくらい一般に販売しているショップがあるのと、都内にお住まいであれば、飯田橋にある江口孔版で入手できると思います。江口孔版であれば、メッシュやインクも購入できますし、他の専門道具もすべて購入できます(インクの小分けはされてないです)。zowhowというネットショップでも、シルクスクリーンに関する材料はすべてそろいます。

もちろん、始めるにあたって新たにすべて購入しなくても、お家にあるもので色々工夫していただければ、大丈夫ですが、今回紹介した道具と同一のものが入手できず代用品を購入する場合、購入の際のポイントと小ネタをお伝えします。

1.の木枠ですが、スタジオの出演者の方々には、通常のワークショップでも使っている、油画用のキャンバス用 木製木枠 F4サイズを使用しました。自分がスタジオで手に持っていたものは、100均のキャンバス枠で作ったものです。強度的には、油画用のキャンバス木枠が最適ですが、 100均のキャンバス枠でも問題ないことは確認済みです。ただし、100均の木製写真フレームも試したのですが、写真フレームは強度がなさすぎてメッシュを張るときに壊れましたので、最低でも100均のキャンバス枠が良いです。

2.のクリアファイルですが、OHPフィルムのような両面がつるつるな透明フィルムより、乳白で内側がさらさらしているクリアファイルをお勧めします。つるつるの透明フィルムの場合、ペンで描きにくいのと、黒色がのりにくいです。絵を描くときも内側のさらさらした面に絵を描いてください。また、絵を描くときは、木枠の内側の大きさより、上下左右3cmくらいの余裕をもって絵を描くと、刷るときに刷りやすくなります。F4サイズの木枠の場合、はがきサイズくらいの絵柄が最適です。A4サイズで絵柄を描いてTシャツにしたい場合、F8サイズの木枠がお勧めです。

3.の黒いボードは、感光させるときに、裏側から光が入らないようにするものなので、10mmから20mmの厚みの黒いボードが最適です。段ボールなどを重ねるだけでも良いと思います。放送中気付かなかったのですが、あとで録画を見返したら、だれもこの黒いボードを使っていなくて、冷や汗が出ました。よくあの状態で無事製版できたと思いますが、もし太陽光で露光する場合は、裏側を塞がないと版画全体が焼けてしまいます。外に出すときは必ず必要になりますので、ご注意ください。

4.のペイントマーカー黒というのは、振ると塗装のスプレー缶のように、カチカチと音がする油性マーカーです。ペン先にインクを染み出させて書くペンです。同じように思われますが、マッキーのような、油性マーカー、名前ペンでも試しましたが、いわゆる油性ペンだとスタジオで紹介した方法では製版できませんので、ご注意ください。

5.のタッカーでメッシュを木枠に貼ります。ネットで「キャンバスの張り方」などで検索して同様の方法でメッシュを張ってください。通常はキャンバス張り器という道具を使って、テンションをかけて張るのですが、なくても手でしっかり引っ張って、タッカーで止める方法でも大丈夫です。 キャンバス張り器の代わりに手で引っ張ってください。ただ、F4サイズ程度であれば、手張りで大丈夫ですが、F8サイズ以上の木枠で作る場合は、キャンバス張り器があったほうが良いかもしれません。

6.のセロテープは当日スタジオでは、使いませんでしたが、圧縮袋に入れる前に、描いた絵をセロテープで木枠のメッシュの上にのせたあと、テープで貼って固定すると絵柄がずれたりしないです。(放送では設楽さんが手をこまねいていました)透明ではがしやすいテープであればなんでもいいです。

7.の圧縮袋は自分が考案した手法ですが、よく使われるガラス板で絵柄を密着させる方法より、はるかに密着度が高く、精度の高い製版ができるようになります。スタジオではアマゾンで販売していた手動ポンプで空気を抜くタイプを使っていますが、100均で売っている、掃除機で吸い取るタイプでも大丈夫です。可能であれば、光に当てている間ずっとハンディ掃除機などで吸い取って、空気が入らないようにした方が良いです。空気を抜く利点は、密着度を高める以外にも、紫外線で硬化する感光乳剤が硬化時の化学反応である重合化反応を酸素が阻害するのを防ぐ役割もあります。またガラスは紫外線を反射・吸収し、5mmのフロートガラスだと30%くらい減衰してしまいます。密着度を高めつつ、感光乳剤の硬化が早くなるので圧縮袋の使用をお勧めします。100円なので、ガラスより安いですし、100cm x130cmという圧縮袋もあるので大きな版にも対応できます。

8.スキージの代用として、 スタジオでは100均の「まな板ヘルパー」という商品を使いました 。代用として幅の広いヘラがあれば何でもよいのですが、ポイントとしては、1.ヘラ先が真っすぐで平であること、2.ゴムだった場合、柔らかすぎないこと、3.金属のように硬すぎてメッシュを傷つけないもの、です。写真にあるような プラスチックスクレーパー や、期限切れの、クレジットカードのようなカード類でも大丈夫だと思います。色々工夫してみてください。

9.フードキーパーはインクの色を調合したり、保管するのに使います。100mlくらいの小さいサイズで、小分けで使うのをお勧めします。購入したインクがもともとボトルなどに入っている場合は、不要です。

10.プラスチックスプーンは、小さめで、スプーンの部分が極力浅いものがいいです。深いスプーンはインクが取りにくいです。インクの硬さはヨーグルトからピーナッツバターくらいなので、バターナイフのようなのが一番インクをすくいやすいと思います。

11.の細長い容器は 18.の乳剤を入れて、メッシュに薄く塗るときに使います。通常は専用のステンレスバケットというものを使うのですが見た目によらず高価です。塗るときは、8.のスキージの代用のスクレーパーを使って、メッシュに薄くまんべんなく塗ります。番組のVTRで少しだけ塗っているところが出てきました。

12.のメラミンスポンジは放送内では出てこなかったですが、版を洗う時など、インクを版から落とすのに最適です。ただ、メラミンスポンジで、ゴシゴシこすると、焼き付けた絵柄が壊れる場合があるので、水をよく含ませて優しくなでるように使用してください。

13.のMDFボードは、Tシャツなどに印刷する場合、印刷する生地の下に入れて印刷面を平らにするのに使用します。板を挟めば、トートバッグなどにも同様に印刷できます。平であれば、まな板でも何でもよいですが、表面がつるつると滑るものは印刷時にずれたりするので、お勧めしません。

14.のウェットティッシュは水分100%で、アルコールが含まれていないものを用意してください。使用している水性インク用の感光乳剤はアルコールなどには弱いので注意してください。紙製のお手拭きなど、こするとボロボロと崩れるものはNGです。

15.乾いたタオルは、濡れた版を拭いたりするのに使います。自然乾燥でも大丈夫です。

16.アイロンは印刷したあとに、インクを定着させるのに使用します。印刷したあと中温程度にセットして当て布をして3分あててください。しわを伸ばすのではなく、熱で圧着させるのに使用しますので、上にのせるだけです。あらかじめ、生地が焦げないか、目立たない場所でテストしてください。長時間あてても焦げない温度にセットしてください。インクが固まる前にアイロンでこすると印刷したところが滲んだり、擦れたりします。慣れないうちは、印刷したあと、15分くらい自然乾燥させてからアイロンをかけるとよいでしょう。アイロンを使わず、自然乾燥するインクもありますが、自分が試した中で自然乾燥するインクで洗濯に耐えられるお勧めのインクはありませんでした。

17.シルクスクリーンのメッシュはメッシュの細かさによって色々販売されています。120Mは120メッシュと読み、1インチ(2.54cm)の間に縦と横均一に、120本の繊維が織られているという意味です。Tシャツなどには、80M~200Mが一般的に使われていますが、綿生地のTシャツには120Mが一番最適です。120Mだと細かい柄や線が印刷できないということは全くないです。自分のシルクスクリーンストアで販売しているものは、すべて120Mで制作しています。

18.ジアゾ感光乳剤は、主に使用するインクが水性か油性かによって使い分けます。使用しているSD-40という感光乳剤は水性インク用の感光乳剤ですので、印刷時に油性インクは使用できません。 SD-40は容量が大きいのに値段が他に比べて安いので、ずっとこの感光乳剤を使い続けていますが、趣味で使うには量が多すぎかもしれません。ギャラリーで小分けしても販売しますので、お問い合わせください。100g 500円+送料で全国発送します。ただし、到着後1か月以内で使い切っていただき、明るい場所での使用は避けて、冷蔵庫などのような冷暗所で保管してください。

19.シルクスクリーンのインクは色が付いた状態でアマゾン他、ネットで沢山販売されています。印刷後の後処理などは、インクの使用説明をよく読んでご使用ください。自分では使ったことないですが、手軽に始めたい場合、アクリル絵の具と木工用ボンドを1:1で混ぜて使用しても、シルクスクリーンの印刷ができるようです。自分は色付きのインクを買うより、その都度、使いたい色を調合して使う方が好みなので、バインダーと呼ばれる色のない糊に、アクリルの顔料を混ぜてインクを作っています。バインダーはWeb-stance というところのAQUAゾルというバインダーを使っています。主に白系の薄い色のTシャツには、クリアバインダーに顔料で色を付け、黒や紺などの濃い色のTシャツには、マットバインダーに顔料を加えます。また、白色をきれいに印刷したい場合はホワイトバインダーを使用します。アクリルの顔料については、藍熊染料のスーパーカラーを使っています。なお AQUAゾル バインダーは熱硬化型バインダーと言って、インクが自然乾燥しないので、メッシュの目詰まりが起こりにくく、とても取り扱いやすいインクです。自然乾燥するインクの方が楽だと思われるでしょうが、インクの乾燥が早いと版が目詰まりしすぐに使えなくなるので、初心者にはお勧めしません。ただし、印刷したあと必ず、アイロンなどで160度程度の熱を3分ほど加える必要があります。アイロン処理が少し面倒ですが、色の再現性、洗濯堅牢性が非常に高いのでお勧めです。

最後に露光についてですが、実際に太陽光で今回のセットを使って試験しましたが、晴れた日の12時に太陽に向けて60秒の露光で問題なく製版できました。ただし、露光時間などは使用する感光乳剤によっても違いますのでご注意ください。普段はスタジオに登場した自作の露光機を使うので、太陽光下での十分なテストはできてませんが、もう少し短くても良いかもしれません。色々試して結果を教えていただけると嬉しいです(どなたかの夏の自由研究に託します)。曇りの日でも時間を調整して長時間当てることでもできますが、強い紫外線の下に短時間で製版した方が、抜けが良いです(メーカーの研究者に聞きました)。放送中の「ひたすら天気の良い日を狙う!」というキャッチは番組ディレクターが面白いからと入れたもので、自分が言った言葉ではないですが、間違えではないです。また太陽光の良い点は、大きな版を作っても機械に入らないことがないということです。例えばサイズS30などの 91cm x 91cm の木枠で、巨大な作品を作っても、100cm x 130cm の布団用圧縮袋が売っているので、同じように露光できます。誰か強者がいたら試してみてください。

続いて、具体的な使い方について解説したいところですが、記事が長くなりすぎたので、また機会があれば記事をアップしたいと思います。可能であれば、4000円から作った版をお持ち帰りできるシルクスクリーンワークショップをやっていますので、一度ご参加ください。

あまりに、用意するものが多いので、挫折してしまう人が続出しないよう願っています。基本的には、1.木枠、2.メッシュ、3.感光乳剤、4.ペイントマーカー、5.圧縮袋の5つが最重要アイテムです。他は、身近なもので代用して工夫できますので、気軽に試していただきたいです。

なお、キッサでのシルクスクリーンワークショップはこちらからお申込みいただけます。

そして最後に宣伝。出演中に来ていたTシャツはこちらから購入できます。7月13日のノンストップ!にも登場された、彫刻家はしもとみおさんのパパが描いた絵柄のTシャツです。番組冒頭のVTRにあった、黒柴Tシャツのイラストは、はしもとみおさん本人のイラストでモデルは初代月君です。その「悪い顔の犬」Tシャツも下のショップで販売しています。

創作絵本展vol.4 From my first picture book 2021/1/23-2/14 井上奈奈 絵本WS

ゼロからギャラリー発表まで絵本作家と創る「絵本創作ワークショップ」から生まれた絵本たち vol. 4

絵本作家 井上奈奈さんを講師に迎えて始まった「創作絵本ワークショップ」4期生の展示を来年2021年1月23日(土)より開催します。

今回で早くも第4回を迎えた創作絵本展ですが、最多の7名参加です。今回も素敵な作品が揃っていますので、ぜひご覧いただけると幸いです。

作家紹介(順不同)

■作家名 もとざわひろみ
■TITLE どれが にあう?

あざらしくんはまっしろしろ。

自分ににあう模様が欲しくてしょうがない。

友達たちの模様を真似してみたけれど

どれが一番にあうかな?

■作家名 エンドウナナ
■TITLE LIFE CLOCK 一生時計

丘の上にポツリと立つ時計屋さん。

そこにあるどの時計も針は一本で、時間が書かれていなかった。
そして一本しかない針は0時に動き出し、一周して必ず止まる。

ある朝、ひとつの時計の針が止まった。

それは、ある男の妻の時計だった。

いのちを刻むふしぎな時計と、それを見守る時計屋さんの物語。

■作家名 なかむらあやこ
■TITLE リセット リセット♪

「地球が怒ってる」って言葉を聞いた事ありませんか?
聞く度に、なんとなく違和感を感じるのです。
私の思う地球を好き勝手に描いてみました。
リセット リセット♪どっかーーん!!
リセットの先には…

■作家名 国分チエミ
■TITLE シルエットさん

『おやおや、このシルエットさんはだぁれ?』
お散歩に出かけた女の子が、途中で出会った
動物や自然物や建物へと、問いかけながらお
話は進みます。モノクロとカラフルな見開き
が、グラフィカルに交互に展開。最後に登場
するシルエットさんだけが、大変なことに!
ラストでクスッとしていただけたら嬉しいです。

■作家名 かとうひとみ
■TITLE 春ににゃったら…(猫Ver.) / 春になったら…(女の子Ver.)

呼びかけを聞いた1匹の猫と1人の女の子。

お互いの運命の糸をたどる春夏秋冬の物語。

春ににゃったら…春になったら…♪

■作家名 みうらさえこ
■TITLE ぼくは待つのが得意だ

「ぼくは待つのが得意だ。

だって、待っていればかならずいいことがあるんだ。」

そう信じている、ある犬の物語です。

■作家名 生海 有佳梨
■TITLE みえない涙

とてもきれいな魚がいた。
その魚は涙を流す。でも海に溶けてしまい
自分も周りも涙を見ることはできない。
悲しい時、嬉しい時は涙が出てくる。
「当たり前のことがとても愛しい。」
そんな思いを綴ってみました。

講師プロフィール
井上奈奈 http://nana-works.com/
画家・絵本作家。京都府舞鶴市生まれ、東京都在住。16歳のとき単身アメリカへ留学、美術を学ぶ。武蔵野美術大学卒業。主な著作に絵本『ウラオモテヤマネコ』『ちょうちょうなんなん』などがある。2018年『くままでのおさらい』特装版が『世界で最も美しい本コンクール』にて銀賞を受賞。

また、第5期「絵本創作ワークショップ」の参加者の募集も開始します!第5期は2021年3月6日スタートで、2021年7月の展示予定です。今回から最終回の製本作業以外はオンラインでの参加も可能となります。

お申込みと詳細は https://gallerykissa.jp/picturebook/ へ

会期:2021年1月23日(土)~ 2月14日(日)
水-土 12:00~19:30 日 12:00~17:00 月・火定休

gallery kissa
東京都台東区浅草橋 3-25-7 NIビル4F
03-5829-9268  https://gallerykissa.jp/
JR 浅草橋駅東口徒歩7分
浅草線蔵前駅A1徒歩3分
大江戸線蔵前駅徒歩8分

創作絵本展vol.3 From my first picture book 2020/9/5-9/22 開催のお知らせ

ゼロからギャラリー発表まで絵本作家と創る「絵本創作ワークショップ」から生まれた絵本たち vol. 3

絵本作家 井上奈奈さんを講師に迎えて始まった「創作絵本ワークショップ」 3期生の展示を来年2020年9月5日(土)より開催します。

今回は、新型コロナウィルスの感染拡大が世界中に広まったことにより、ワークショップも東京都の緊急事態宣言を受けて始まり早々に中断したりと、紆余曲折ありましたが、みなさん最後には素晴らしい絵本を完成していただきました。

そして、今回は展示の会期も長くさせていただき、4名の3期生の展示に加えて 1期生と2期生の絵本5点も展示させていただきます。ぜひいらしてください。

作家紹介(順不同)

■作家名 平塚じーろ
■TITLE だいすきなママのカレーライス

お料理が得意なボクのママ。
ボクが一番好きなのはカレーライス。
ママの作るカレーライスは大きなじゃがいもがいっぱい入っているんだ。
それなのに、その日のカレーはいつもと違っていた!

■作家名 きくち ひとみ
■TITLE ふしぎなたまごとゆめ流星群

小さな病院の片隅にたまごが2つ。
どうしてそこにあるのか誰も知らない。
ある夜、たくさんの光が病院に降り注いだ。
すると、中からこびとたちが飛び出してきました。
そして…………

■作家名 ishimizu zuko
■TITLE ツボミ工房の物語

桜のツボミは初夏にできます。
そんなに早くツボミをつけて、次の春までなにをしているのでしょう。もしも、ちいさなちいさなこびとたちが、桜の木でせっせと働いていて、私たちと同じように巡る季節を楽しんでいたら…
桜の木のなかに流れている季節を、絵本にしました。

■作家名 みうらさえこ
■TITLE 河原の神様

カフェやオシャレな店が並ぶ街のすぐ先を流れる豊かな川。そこには地図上にない洲や河原があります。都会の奇跡のような美しい自然の中、そこに集まる犬たちは世代を越え時を越えて連綿と友情を育んできました。しかし昨秋、大型台風がここを根こそぎ破壊します。
変わり果てた河原、半年間の記録です。

講師プロフィール
井上奈奈 http://nana-works.com/
画家・絵本作家。京都府舞鶴市生まれ、東京都在住。16歳のとき単身アメリカへ留学、美術を学ぶ。武蔵野美術大学卒業。主な著作に絵本『ウラオモテヤマネコ』『ちょうちょうなんなん』などがある。2018年『くままでのおさらい』特装版が『世界で最も美しい本コンクール』にて銀賞を受賞。

また、第4期「絵本創作ワークショップ」の参加者の募集も開始します!第4期は2020年10月18日スタートで、2021年1月の展示予定です。お申込みと詳細は https://gallerykissa.jp/picturebook/ へ

会期:2020年9月5日(土)~ 9月22日(火)
水-土 12:00~19:30 日 12:00~17:00 月・火定休
9月21日(月・祝)、9月22日(火・祝)の祝日は 12:00~17:00まで

gallery kissa
東京都台東区浅草橋 3-25-7 NIビル4F
03-5829-9268  https://gallerykissa.jp/
JR 浅草橋駅東口徒歩7分
浅草線蔵前駅A1徒歩3分
大江戸線蔵前駅徒歩8分

創作絵本展vol.2 From my first picture book 2020/1/18-2/2 開催のお知らせ

ゼロからギャラリー発表まで絵本作家と創る「絵本創作ワークショップ」から生まれた絵本たち vol. 2

絵本作家 井上奈奈さんを講師に迎えて始まった「創作絵本ワークショップ」 2期生の展示を来年2020年1月18日(土)より開催します。

今回も、そう、今回も素敵な絵本ばかりです。 ぜひお越しください。

※展示初日の1月18日は17時より出展作家を交えたオープニングを予定しています。どなた様も是非ご参加ください。

作家紹介(順不同)

■作家名 久保田ゆき
■TITLE とびきり苦くて甘い味

自身でのアート制作、または指導をしながら、家族プラス愛犬と暮らしています。絵本制作は初めてです。この絵本で、『辛く悲しいことはあるけれど、その反面で幸せも受け取ることもある。』ということを 表現しました。このワークショップで、絵の表現や言葉の大切さを学びました。

■作家名 paritora
■TITLE 保護犬そらじと私

『そらじ』は元保護犬。ボロボロで町を彷徨っているところを保護され飼い主を探したけれど現れず、我が家にやって来ました。
散歩を怖がったりトイレを中々覚えなかったり色々あったけど、少しずつ家族になっていった私達を絵本にしました。

■作家名 りのごびお
■TITLE ウソ800ミュージアム

ある朝、ねずみに招待状が届きます。差出人は「ウソ800財団」…。ウソみたいなこと、ウソであってほしいことばかり現実で起こるので、綺麗なウソだけ集めた世界をつくりました。鉱物、化石、映画館など、好きな物をたくさん詰め込み、博物館で働いていた時の経験も少し混ぜました。

■作家名 ぱしゃん
■TITLE 杉本あやこ

ある日、少女はドアを開けた。
一杯のコーヒーと海の時間が交じり合う、不思議なときの物語。
言葉のない絵本です。
日常の片隅でふと、小さな生き物たちの存在に、耳を澄ませることができたらと思って作った一冊です。

■作家名 藤元咲帆
■TITLE それとも、どっちも

国際関係をテーマにした絵本を書きたく「それとも、どっちも」を考えました。今回は対立した2つの国が互いに反撃をしている様子から構想を得て、表裏どちらからでも読める作品にしました。子どもによって様々な意見が出てくるような作品になると嬉しいです。

講師プロフィール
井上奈奈 http://nana-works.com/
画家・絵本作家。京都府舞鶴市生まれ、東京都在住。16歳のとき単身アメリカへ留学、美術を学ぶ。武蔵野美術大学卒業。主な著作に絵本『ウラオモテヤマネコ』『ちょうちょうなんなん』などがある。2018年『くままでのおさらい』特装版が『世界で最も美しい本コンクール』にて銀賞を受賞。

また、第3期「絵本創作ワークショップ」の参加者の募集も開始します!第3期は2020年3月7日スタートで、2020年7月(もしくは8月)の展示予定です。お申込みと詳細は https://gallerykissa.jp/picturebook/ へ

gallery kissa
東京都台東区浅草橋 3-25-7 NIビル4F
03-5829-9268  https://gallerykissa.jp/
JR 浅草橋駅東口徒歩7分
浅草線蔵前駅A1徒歩3分
大江戸線蔵前駅徒歩8分

2019.11.23 木彫りワークショップ 本多絵美子「ウォンバット」

2019年11月23日(土) は「ツチノコトラベルで行く島巡り」での最後のワークショップでした。本多絵美子さん講師による「ウォンバット」の木彫りワークショップです。

講師の本多絵美子さんです。ウォンバットは等身大彫刻のウォンバット、多摩動物公園にいたチューバッカ君の彫刻も今回ギャラリーで展示しています。とてもヘビーな子なので、4Fへ上げるのに上げるのに苦労します。。

スタートの形はこんなかんじです。四つ足で立っている動物なので3時間のワークショップで終わらせるには難易度高めですね。

ウォンバットファンの方も何名かご参加いただき、ウォンバットの写真も色々と事前にプリントアウトして用意され、準備がバッチリの方も何名かおられました。

まずは、横からのフォルムを彫刻材に下描きをし、不要な部分を鋸で落としていきます。そして、彫られている横で、なにやらすでにウォンバットの形のような木彫りがあると思いきや、今日のために予習!をされてきたとか。素晴らしいです。

ほぼ鋸のカットだけで、すでに形が見えてきている方も。これはかなりの木彫り経験者ですね。。ここまで1時間半、彫りの終了まで約1時間です。ぜんぜん終わらない!という方の声もチラホラ。汗)

開始から約2時間くらい経過で顔の部分を彫っていただきます。胴体や足が進んでおられない方も顔だけは先生にも手伝ってもらいつつ、塗り前に顔を作っていきます。

彩色前の状態。とてもかわいいですね!

彩色はまず目を入れるところから始めます。目は最後にグロスを塗ってキラリと光らせます。

使う色は基本的に茶・黒・白の3色のみ。白は最後にふわりとのせます。

皆さんでワークショップで作られた沢山のウォンバットを並べて撮影会~。時間が足りない~~という方が、今回も多かったと思います。ウォンバットは低い位置だと茶色い塊になってしまうので、高い位置に飾っていただけると良いと思います!

ウォンバットのキバ!ネズミのように鋭いのをご存知でしょうか?見事に再現されています。

ご参加いただいた皆様、お疲れ様でした。ありがとうございます!またぜひ機会があればご参加ください。

ツチノコトラベルで行く島巡り、展示は本日最終日となっております。まだの方は残り僅かですが、ぜひ~

「ツチノコトラベルで行く島巡り」はしもとみお・本多絵美子・馬塲稔郎・花房さくら

会期:2019年11月1日(金)~11月24日(日)
時間:12:00 – 19:30 水-土 (~17:00 日曜日) 休日、月・火曜日
場所:gallery kissa 111-0053 東京都台東区浅草橋3-25-7 NIビル4F
※4階ですがエレベーターはございません
03-5829-9268 https://gallerykissa.jp

2019.11.17 木彫りワークショップ 花房さくら「猫埴輪」、馬塲稔郎「オオハシを彫ろう!」

2019年11月17日(日) は午前と午後2回ワークショップを行いました。午前は、花房さくらさん講師による「猫埴輪」、午後は馬塲稔郎さん講師による「オオハシを彫ろう!」です。

「猫埴輪」ワークショップ講師の花房さくらさん、ワークショップの第一ステップは、どんな型の埴輪にするかのイメージを固めます。自由度は無限!

こちらの材(楠)からスタートします。かなり大きめの木取りですので、削る量も大量。果たして3時間のワークショップでどこまで進められるか・・・、時間との勝負になりそうです。

この日のワークショップのアシスタントは午後の講師の馬塲稔郎さん。

去年に続き、キッサとはしもとみおさんの木彫り本のショップ、手習い帖ショップでも取り扱っている、彫刻刀メーカー道刃物工業のキカイさんも研ぎ機を持って来てくださいました。ワークショップ中に切れの悪くなった彫刻刀をその場で研いでいただけるという心強い味方です。

直接木に埴輪のイメージを描く前に、ワークシートにイメージ図を描いていただきます。木に描かれた図は彫るとすぐに消えてしまうためです。

彫刻刀を使う前に、とにかく不要な部分は鋸で削り落とします。

彫り進めて、なかなか進まないときは先生に手伝っていただきながら・・・、とにかく彫る。

こだわりのダリ髭

埴輪の目と口はドリルで穴をあける、というのがこの埴輪づくりワークショップのポイントです。彫りが終わらないうちでも、目と口を入れると、一気に埴輪っぽくなります。

招き猫埴輪!

なかなか彫りが時間が足りず大変だったかと思いますが、色塗りも出来る人には挑戦いただき記念撮影~。お疲れ様でした。今回は木材が大きくて大変だったかと思います。もし、彫りが満足いかない場合、お家でもぜひ引き続き進めていただき、理想の埴輪に仕上げていただければと思います!

午後は馬塲稔郎さん講師の 「オオハシを彫ろう!」です。 今回は、午前と午後両方のワークショップに参加されたつわものもいらっしゃいました。

まずはスタートの材(ヒノキ)に中心線を描くところからスタート。馬塲さんのワークショップはやさしいので、スタートの材がすでにオオハシ。「これに色を塗れば完成ですね」という声も聞こえましたが、そんな横着はいけません。手を抜かず頑張って彫りましょう。講師の馬塲さん曰く、「カラフルな色のオオハシの色塗りを楽しむのも今回のワークショップの目的」ということで、彫りが上手にできないという方にも楽しめるようになっているそうです。

初めに羽根の部分を彫り彫り

途中で彫刻刀の研ぎをしていただいている、キカイさん

彫りが終了。素晴らしいですね!

木彫り経験者もチラホラといらっしゃることもあり、完成度が高めです。

着彩もいい感じ

足の部分を彫るのはとても難しいのですが、完璧ですね

素晴らしい出来栄え!

完成です!見事な「オオハシ」の群れが完成しました。

お疲れ様でした。素晴らしいです。

以上で、11月16日(土)午後、11月17日(日)午前・午後とつづいたツチノコトラベルワークショップ計3つが無事終了。あとは、11月24日(土)午前にある本多絵美子さん講師による「ウォンバット」のワークショップを残すのみとなりました。

ツチノコトラベルの展示も引き続きよろしくお願いいたします。

「ツチノコトラベルで行く島巡り」はしもとみお・本多絵美子・馬塲稔郎・花房さくら

会期:2019年11月1日(金)~11月24日(日)
時間:12:00 – 19:30 水-土 (~17:00 日曜日) 休日、月・火曜日
場所:gallery kissa 111-0053 東京都台東区浅草橋3-25-7 NIビル4F
※4階ですがエレベーターはございません
03-5829-9268 https://gallerykissa.jp

2019.11.16 はしもとみおワークショップ「ゆらゆら猫」、チームツチノコが集結

2019年11月16日(土)14時~17時 はしもとみおさん講師による「ゆらゆら猫」を創る木彫りのワークショップでした。

中央が講師のはしもとみおさん、右はアシスタントで本多絵美子さんに来ていただきました。ちなみに、本多絵美子さんは11月24日に「ウォンバット」の ワークショップ開催予定です。

上のカット木材が「ゆらゆら猫」となるスタートの形です。はしもとみおさんが始まるときの解説で「今回の木彫りは難易度星5つのうち4つ★ ★ ★ ★ ☆ です。」と笑いながら話されていました。相変わらず、キッサでの木彫り教室は初心者が参加しようが容赦ないですね。。(ちなみに昨年は星5つのうち6つ!だそう)

まずは、横から見た図を鉛筆でラフに描き、不要な部分を細工鋸でどんどんカットしていきます。

みなさん、ねこちゃんの写真などを横に添えて出来上がりのイメージを高めながら掘り進めます。

小さな写真立てに収められた猫ちゃん。もう20年ほど前に一緒に暮らした猫ちゃんで、これしか残っていないという写真らしいですが、とても哀愁を感じます。

とにかく彫り進めます。

「ゆらゆら猫」の猫の顔の部分を彫るワンポイントアドバイス をYouTubeにアップしました。そしてワークショップ中に、みおさんが「ゆらゆら猫は自分でも3時間で彫ってない」という衝撃の事実が!

だんだん、みなさん猫の形になってきました!個人差がだいぶありますが、ここまで約1時間。

眼の部分は神の手(みおさん)が入っていますが、ワークショップではもれなく片目だけということで、反対側はご自身で頑張ってもらいます。

みなさん、まだまだ彫りたいところですが、強制的に彫刻刀や鋸などの道具を片付け、色塗りに入ってもらいます。

彩色のアドバイスを YouTube 動画にアップしました。動画を参考にドライブラシに挑戦してみましょう。

みなさんの作品を並べて撮影会!どの子もかわいいですね~

ご参加いただいた皆様、お疲れ様でした。

また機会がありましたら、新たな木彫りに挑戦してみてください。

この日はツチノコトラベルのチームツチノコメンバー4人が結集!会場で記念撮影。左から、はしもとみお、本多絵美子、馬塲稔郎、花房さくら

そして、作家さん4人にインスタ写真展のプレゼント企画、グッズへのサインを行っていただきました。上の4点のタグがそれぞれの作家さんより選ばれた方に送られる作家賞。下のコースターと回りのタグ4つのセットが、作家全員が選んだインスタ写真に送られるプレゼントです。最終日の11月24日までインスタ写真展のプレゼント企画にご参加いただけますので、ぜひ展示にお越しいただき、インスタグラムにハッシュタグ #ツチノコトラベル を付けて写真をご投稿ください。

「ツチノコトラベルで行く島巡り」はしもとみお・本多絵美子・馬塲稔郎・花房さくら

会期:2019年11月1日(金)~11月24日(日)
時間:12:00 – 19:30 水-土 (~17:00 日曜日) 休日、月・火曜日
場所:gallery kissa 111-0053 東京都台東区浅草橋3-25-7 NIビル4F
※4階ですがエレベーターはございません
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創作絵本展 From my first picture book 2019/6/15-30 開催のお知らせ

ゼロからギャラリー発表まで絵本作家と創る「絵本創作ワークショップ」から生まれた絵本たち vol. 1

本年の2月から絵本作家 井上奈奈さんを講師に迎えて始まった「創作絵本ワークショップ」ですが、いよいよ6月15日から展示を行います。3か月と短期間でしたが、とても素敵な絵本となりました。ぜひお越しください。

作家紹介(順不同)

仲築間 三幸

『わたしはせかい
「わたし」が見た幻のような景色。ページをめくるごとに色とりどりの世界がひろがる。身近にあるあらゆるもののうつくしさにもう一度目を向ける物語。最後に「わたし」が思うことは……。

のむらてる

『ボチボチ
バクは夢が大好物、夜な夜な動物たちの夢を食べに歩いてます。バクはみんなの夢を食べたぶん良い夢を見ることができるので、楽しい夢を見つけると我慢ができません。でも注意しないと… そんなバクのお話です。

『水色オバケの種まき
どこでもない場所に水色オバケが種をまいていくお話。水色オバケはなぜ種をまくのか。種は何の種なのか。優しい物語を描きたくて作成しました。

いしばしいおり

『ながいたび
すべてのものには長い旅のような物語があります。それぞれが旅のなかで互いにすれ違い、重なり合って、出会い、別れ、迷い、救われながら、「今」をかたち作っている。そんな想いを一冊の絵本にしてみました。

りにゃいろ

『よつばなのクローバー』
4世代のラブラドール・レトリバーといっしょに暮して23年。楽しく生きることを教えてくれたしっぽたちとのしあわせな時間を1冊の絵本にまとめました。

※展示初日の6月15日は17時より出展作家を交えたオープニングを予定しています。どなた様も是非ご参加ください。

講師プロフィール
井上奈奈 http://nana-works.com/
画家・絵本作家。京都府舞鶴市生まれ、東京都在住。16歳のとき単身アメリカへ留学、美術を学ぶ。武蔵野美術大学卒業。主な著作に絵本『ウラオモテヤマネコ』『ちょうちょうなんなん』などがある。2018年『くままでのおさらい』特装版が『世界で最も美しい本コンクール』にて銀賞を受賞。

今回の展示タイトルは講師の井上奈奈さんが、一冊の絵本から繋がる世界という想いを込めて “From my first picture book” とつけてくださいました。

ちらりと、今回のワークショップの様子です。

第1回

まずは、自己紹介とこんな絵本を創りたいという、お気に入りの絵本を持ってきていただきました。

講師の井上奈奈さんには、貴重なラフ画を見せていただいたり、絵本制作のこだわりのポイントなどお話をうかがいました。

第2回

ラフからストーリーを煮詰めます。

第3回

皆さんにラフ画ページ仕上げていただき、ワークショップ仲間に、ラフ本の発表会です。

昌さん
りにゃいろさん
いしばしいおりさん
のむらてるさん
仲筑間 三幸さん

第4回

冒頭に井上奈奈さんに、制作にあたっての参考になればと、お気に入りの絵本を読んでいただきました。

第5回

本来は製本作業の予定でしたが、何名か制作が追い付かないということで、製本は次回にまわし、絵本の最終チェックです。ほぼ完成の絵本を発表いただきました。絵本制作で寝不足の方も…。

りにゃいろさん
晶さん
いしばしいおりさん
のむらてるさん
仲筑間 三幸さん

本当にみなさん、素敵な絵本になりそうで、期待が高まります。

第6回

いよいよ製本!絵本制作も最終日です。みなさんお疲れ様。そして、素敵な絵本が完成しました。感無量です。

予想以上に、というか予想通りというべきか、ご参加いただいた方々、絵本制作に苦労されて寝不足だったり、体調を崩されたり、色々なドラマがありましたが、とても楽しんでいただけたようです。

そしていよいよ、発表が2019年6月15日より始まります。初日の17時からは参加作家全員あつまり、オープニングレセプションを予定しています。どなた様もご参加いただけますので、ぜひいらしてください!

また、第2期「絵本創作ワークショップ」#2の参加者の募集も開始します!第2期は2019年7月13日スタートで、2020年1月の展示予定です。お申込みと詳細は https://gallerykissa.jp/picturebook/ へ

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モノマチ11開催! シルクスクリーンのワークショップを行います

モノマチ11(モノマチイレブン)が 5月24日(金)・25日(土)・26日(日)の3日間開催します。今年もgallery kissa参加しますので、ぜひ遊びに来てください。

キッサではシルクスクリーンのワークショップを3日間行います。今回は刷りの体験ワークショップと、本格的な製版ワークショップを行います。版を作って自分だけのオリジナルTシャツを作っちゃいましょう。

体験ワークショップ

刷る素材(布・Tシャツなど)持ち込みいただき、
シルクスクリーン印刷でギャラリー作家さん
のイラストの絵柄を刷ってみよう!

1刷り700円 (予約不要、20分~)

無地Tシャツトートバッグも販売していますので、 体験は手ぶらでもご参加いただけます! (サイズ・色には数の限りがあります)2日前までにサイズや色を指定しご予約いただければ在庫確保します

Tシャツ大人用 S・M・L 500円
キッズTシャツ 100~160 400円
ミニトートバッグ・サコッシュ 400円
A4キャンパストートバッグ 500円

当日は複数の作家さんのイラストの10種類以上の版を用意しています!

イラスト:画家 林ゆいかさん’
イラスト: 造形作家 志村リョウさん

製版ワークショップ

A4サイズまでの絵柄から、シルクスクリーン版を制作します
木枠にメッシュを張り製版作業を行い、印刷まで体験出来ます
また、出来上がったオリジナルの版はお持ち帰りいただけます

絵柄はご自身で事前にご用意ください

開催日: 24日・25日・26日
定 員: 4名
参加費: 税込 5,000円 (材料費込み)

<合計4時間>
午前10:00~12:00 紗張りと感光乳剤の塗布
~版を乾燥させるためお昼休憩~
午後13:00~15:00 感光製版とプリント

要予約:以下URLのイベント予約よりお申込みください

https://gallerykissa.jp/shop/category/item/itemgenre/event

お問い合わせ:
gallery kissa
info@gallerykissa.jp
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