ギャラリー オープン10周年を迎えました。突然ですが出版を始めます。

2012年の6月9日にギャラリーを今の場所、浅草橋・蔵前にオープンして、今日でちょうど10周年を迎えることができました。

階段しかないビル4Fで、ひっそりと、営んでいますが、何とか続けられたのは色々な作家さんに出会うことができたおかげです。お花を贈ってくださった、創作絵本ワークショップの参加者皆様と講師の井上奈奈さんありがとうございます。

今もギャラリーで元気に育っている、上の観葉植物はギャラリーオープンの日にいただいたものです。植物を枯らすのは得意なのですが、こちらは10年経った今も元気に根付いて葉っぱを楽しませていただいています。年月を経ても大きく育ってはいないですが、年中、青い葉っぱをつけているところが、皮肉ながら今のギャラリーのようです。小さな彫刻は、オープン当時我が家の家族だった、ニコちゃん、タラちゃん、イクラちゃん(右から)を彫刻家のはしもとみおさんが彫ってくださったものです。

2015年に「はじめての木彫りどうぶつ手習い帖」(雷鳥社)という彫刻家はしもとみおさんの著書の制作の手伝いをして刊行した記念と思い、発売した月に 20cmほどだった小さなクスノキの苗をギャラリー屋上に植えました。こちらはぐんぐんと成長していて、既に2m近くになっています。はしもとみおさんとは、ギャラリーをオープンした年にお客さんから教えていただいたのをきっかけにギャラリーで何度か展示をさせていただいているのですが、屋上のクスノキ以上に成長されて、はるか彼方の所で活躍されています。

例年オープン記念日はなにもしてこなかったので、ご存じない方が殆どですので恐縮ですが、10周年を迎える今年から出版を始めることにしました。そのお知らせも兼ねて、10周年を祝ってしまおうということで、明日の18時から主に、創作絵本ワークショップの参加者の方中心となるかもしれませんが、パーティーをします。突然のお知らせで、またまた恐縮ですが、どなたでも歓迎です。一応、持ち寄りパーティーということで、一品持ち寄りでゆるくやります。

作家の井上奈奈さんからお声掛けいただき、3年前から創作絵本ワークショップを始め、昨年10月に、「星に絵本を繋ぐ」(雷鳥社)という絵本作りについて井上奈奈さんがまとめた書籍を刊行する手伝いをしました。絵本の魅力もさることながら、本づくりに興味がわき、元雷鳥社で編集をされていた現在フリー編集者の谷口香織さんとの再会もあり、出版社を立ち上げることにしました。出版社名は「KISSA BOOKS」です。

ちょうど昨日のことですが、井上奈奈さんに依頼していたロゴデザインもいただき、KISSA BOOKSのロゴも完成しました。

黒猫は、今ギャラリーの看板猫としてギャラリーに居るコニちゃん、一緒に本を読んでいる少年は恥ずかしながら、少年時代の自分だそうです(少年時代はメガネっ子でした)。

KISSA BOOKSの最初の刊行物としては、彫刻家はしもとみおさんの絵本復刊(完全リニューアル)となる予定です。10月頃の発売を目指しています。詳細はもう少ししたらお知らせ出来るかと思います。そして続いて、創作絵本ワークショップで生まれた本の新刊本も予定しています。絵本の可能性を広げて、ゆくゆくは世界に向けて送り出せるような本づくりを目指していますので、ご期待を。

gallery kissa
オーナー 瀧本佳成

最後に、来週からギャラリーにて、ゼロからギャラリーで発表まで 絵本作家と創る「絵本創作ワークショップ」 第6期絵本展も始まりますので、ぜひこちらもいらしてください。今回も個性豊かな作品が揃っています。6月18日(土)14:00からは第6期絵本展のオープニングで、作家さんによる読み聞かせ発表があります。どなたでもご参加いただけます。

会期:2022年6月17日(金)~ 7月3日(日)
水-土 12:00~19:30 日 12:00~17:00 定休:月火

gallery kissa
東京都台東区浅草橋 3-25-7 NIビル4F
03-5829-9268  https://gallerykissa.jp/
JR 浅草橋駅東口徒歩7分
浅草線蔵前駅A1 A3出口徒歩3分
大江戸線蔵前駅徒歩8分

六本木文喫「星に絵本を繋ぐ」ワークショップから生まれた絵本たち 2022/2/4-2/28

六本木 文喫にて 2021 年 10 月に開催した『星に絵本を繋ぐ』出版記念展の関連企画として、世界で 1 冊だけの絵本を著者 井上奈奈さんと共につくるワークショップを 3 カ月にわたり開催してきました。

このたび文喫では、本ワークショップを通して生まれた絵本たちと『星に絵本を繋ぐ』の第 3 章にて紹介されている gallery kissa でのワークショップから生まれた絵本たちと共に展示いたします。
参加作家は絵や物語を描くのが初めての方~プロの方まで様々です。
世界に一冊だけの特別な絵本を手に取れる貴重な機会です。
是非ゆっくりとご覧ください。

文喫の無料コーナーで展示していますので、ふらりと立ち寄り、ぜひそれぞれの絵本の世界の中に飛び込んでお楽しみください。

文喫でのワークショップに参加された8名の新作と、gallery kissa の1期~5期のワークショップに参加された方の中から 20名の作品が、それぞれ手に取ってご覧いただけます。

1冊・1冊丁寧に手製本されて作られています。

また、2月7日19時~は作者によるオンラインイベントも予定しています。

以下のリンクよりアーカイブ配信を2月末までご視聴いただけます。( 550円)

https://peatix.com/event/3158664/view

http://hoshi-tsunagu-ehon.peatix.com

世界で 1 冊だけの絵本とそのつくり手が集まり、
絵本を中心に会話が生まれていく。
そんな夜を一緒に過ごしてみませんか。

原画を綴じて製本している絵本も多数あり、まさに世界で1冊だけの絵本。

絵本の表現の手法もパステル、ちぎり絵、折り紙、切り絵など様々、内容も楽しい子供向けの絵本から、大人向けの謎めいたものから、深いものまで色々です。

こちらの、「ふーっとしたら ゆげのまち」は最年少 10歳の さがあまね さんが作られた絵本です。迫力あるタッチと楽しいファンタジー絵本です。

展示に観に来られた方が気に入った絵本に、星のシールを貼ることが出来ます。ぜひ作家さんに星を贈ってあげてください。

参加作家

シムチョン「ほしのかぞくのまちあわせ」
舟橋加奈子「アイデンティティ オンザ ごはん」
服部由美子「HAKOIRIMUSUME (箱入り娘)」
林林勝明 「BAT, BUT, BAD?」
生海 有佳梨 「アップ・アップ・アップルパンケーキ」
和泉 涼 「ちさ と さち」
Rina Tanaka 「ギフト」
高宮寿美 「すむ みる かんじる 旅するSuMiCa」

いしみずズコ 「ツボミ工房の物語」
りのごびお 「ウソ800ミュージアム」
子田かおり 「アナベル」
晶「水色オバケの種まき」
仲築間三幸  「わたしはせかい」
なかむらあやこ 「リセット リセット♪」
paritora「保護犬そらじと私」
りにゃいろ 「よつばなのクローバー」
かとうひとみ 「春ににゃったら…/ 春になったら…」
さがあまね 「ふーっとしたら ゆげのまち」
杉本あやこ 「ぱしゃん」
きくちひとみ 「ふしぎなたまごとゆめ流星群」
ノサチカミサキ 「こんなふうに おもったの」
もとざわひろみ 「どれが にあう?」
平塚じーろ 「だいすきなママのカレーライス」
みうらさえこ 「ぼくは待つのが得意だ」
エンドウナナ 「LIFE CLOCK 一生時計」
久保田ゆき 「とびきり苦くて甘い味」
つくいえりこ 「たのしすぎるトビラ」

六本木文喫「星に絵本を繋ぐ」ワークショップから生まれた絵本たち
会期:2022年2月4日(金)~-2月28日(月)
場所:六本木 文喫
住所:東京都港区六本木6丁目1−20 六本木電気ビルディング 1F

【2月7日】井上奈奈「星に絵本を繋ぐ」ワークショップから生まれた絵本たちの発表会
イベントは終了しましたがアーカイブ配信はこちらから2月末までご視聴いただけます
https://peatix.com/event/3158664/view

あなたとわたしの萬音百夜ー内山和重 100日連続ライブ 本日より3月13日まで

コントラバス奏者の内山和重氏による聴く者と奏でる者が一対一で対峙する100日連続ライブ『萬音百夜』が本日より開始。無事初日公演を終えることが出来ました。

1人の観客に音がダイレクトに届くので、コントラバスのものすごい重低音が体に鳴り響きます。

“あなたとわたしの萬音百夜” 集りよりも、百日かけて一人ひとりに音楽をこんな想いで企画しました。ちょっと贅沢な雰囲気と、親密な空間で、音楽を味わえるまたとない一夜。来年3月13日まで。

内山 和重

予約は下のリンクより行えます。カレンダーより空いている日付をお選びください。

【お問合せ】
gallery kissa ギャラリーキッサ
info@gallerykissa.jp 03-5829-9268
東京都台東区浅草橋3-25-7 4階
営業時間 水-土 12:00~19:30 日 12~17:00 定休 月・火
最寄り駅:総武線 浅草橋駅より徒歩7分、浅草線 蔵前駅A3,A1出口より徒歩3分

井上奈奈著「星に絵本を繋ぐ」発売 出版記念展 at 文喫(2021/10/15トークイベント)

絵本作家の井上奈奈さんの新刊本「星に絵本を繋ぐ」が2021年10月6日に雷鳥社より刊行されました。

鮮やかなブルーのカバーには、馬に乗った少女と星が描かれていますが、本のスピン(ブックマーク)がリボン素材で本の下に付けてあり馬の尻尾のようになっています。

本書が生まれたきっかけは、2019年3月に著者の絵本作家の井上奈奈さんを講師に迎えて始まった、”ゼロからギャラリーで発表まで絵本作家と創る「絵本創作ワークショップ」” です。今回微力ながらgallery kissaの私も制作のお手伝いをさせていただきました。このワークショップは全6回の日程でプロ・アマ問わず、絵本の作り方を井上さんから学びながら制作を進めます。ワークショップの最終日に手で製本作業を行い。製本を終えた後、ギャラリーで世界で一冊だけの絵本の展示を行います。約3か月で、構想から絵本の物語制作から、絵の制作をして、製本と展示をしなければいけないので、参加者にとっては大変な作業ですが、面白い作品が沢山生まれて、毎回驚かされてます。そしてなにより受講生が絵本を出版される日が早く来ないかと願ってやみません。ワークショップのアイディアは、井上さんが美大生の時に課題で3日という超短期で絵本を作ったという経験から生まれたようです。

第五期生の製本日(2021年6月)の風景 さがあまねさんは最年少の10歳でワークショップに参加

井上さんから、絵本創作ワークショップの3期の展示を終えたころに「色々絵本づくりのノウハウがわかってきたので本にしてみたい」と相談を受けたところから始まりました。雷鳥社ならばきっと企画を面白がってもらえるのではと、持ち込みしてみることにしました。出版社の雷鳥社とは、彫刻家はしもとみおさんの著書「はじめての木彫りどうぶつ手習い帖」でもお世話になった出版社ですがほぼ即決で企画が進みました。前回もお世話になった文京図案室というデザイン事務所との共同作業がとても楽しかったこともあり、ブックデザインも文京さんの芝さんで!とお願いしました。

井上奈奈さんのアトリエで著書の絵本撮影 左から芝さん、鈴木さん、井上さん

企画段階では、絵本ワークショップのような絵本作りのハウツー本的な話がメインだったのですが、本の構成を考えるうちに、アート作品のような美しい井上さんの絵本の作品集のボリュームを増やそうというデザイナーの芝さんからの提案が自然な流れで決まりました。そこで、デザイナー芝さんの一押しのカメラマンの鈴木さんに、本に使う写真、全て撮りおろしていただくことになりました。全行程で著者の井上奈奈さん、雷鳥社の編集益田さん、文京図案室のデザイナー芝さん、カメラマンの鈴木さんと、私(gallery kissa)が本作りに関わっています。

また、絵本作りの話についても、ワークショップのように進めるより、直近に出版した「猫のミーラ」をどのように制作したのかという実例から、井上さんがどのようなことを大切にして絵本を作っているか、そしてそれを出版するまでの各工程を時系列で追うという話をメインにすることになりました。

巻頭の作品集では、出版編集者から、デザイナー、製本、印刷など、絵本づくりに関わった人たちの話を聞きつつ、インタビューと絵本の撮影をさせていただきました。それぞれの分野で本にかける情熱が本当に熱く、そして井上さんとの本制作を大事にされている事がひしひしと伝わってくる楽しい取材でした。

本を作りにあたって、井上さんの「美しいものをつくりたい」、目標に向かって「ありとあらゆる可能性を引き出す」。それには井上さん自身だけでなく、関わる人全ての力を最大限に使って成し遂げるという不思議な能力を使ってのモノづくりがとても心地よい時間でした。著書の中でも随所でその能力が発揮される場面が登場します。

空想製本屋の本間あずささん
本間さんが製本屋をはじめるきっかけとなった栃折久美子さんの本

本では巻頭の作品集に続く、第2章の「絵本を作ることに大切にしている10のこと」が井上さんが最初に執筆された部分ですが、この最初の文章を読んだとき、背筋がピンと伸びるような研ぎ澄まされた刃物のような文で感動しました。井上さん自身の評価では、ハウツー本なのにプライベートの話題が多く、多くの人に共感されないかもしれないと心配されていましたが、井上さんにはこのままのスタイルで自己を貫いていただいた方が、良い本が出来ると確信したので、ハウツー本ということは忘れてもらって、このままのスタイルでのびのびと書いていただくようにお願いし、編集者の益田さんも同様の意見でした。こういった企画段階とはまったくコンセプトが変わっても、万人受けでなくても本当に魅力的な本を作るということに神経を張りめぐらせているのが雷鳥社の素晴らしいところです。

とにかく最初から最後まで楽しい本作りでしたが、何よりも最終原稿を通しで読んだと時、「これはものすごい本が出来てしまった」とひしひしと感じました。

「猫のミーラ」出版編集者の小林えみさんが今年1月にオープンした、マルジナリア書店 by よはく舎
「ウラオモテヤマネコ」「せかいねこのひ」のデザイナー・サイトヲヒデユキさんの事務所
アトリエ事務所に置いてある、ありとあらゆるものがかっこいい
中野活版印刷店の活版
中野活版印刷店で使われているリソグラフ。このコンビニのコピー機みたいな印刷機(原理はガリ版印刷に近い)で「世界で最も美しい本コンクール2018」銀賞を受賞した「くままでのおさらい」の特装版印刷が行われた
長野の印刷所で撮影する予定が緊急事態宣言が発令中のため、都内での撮影となり、印刷博物館の貴重な印刷機が並ぶ展示室を特別に使わせていただきました。
印刷博物館。数えきれないほどの活字が並ぶが、これもほんの一部。ものすごい量の活字が保存されています。
「猫のミーラ」のデザイン会社 G_GRAPHICS INC.が運営する ondo GALLERY でも撮影をさせていただきました。
ondo GALLERYと藤原印刷の藤原さん

現在、10月1日~10月31日と長期にわたって、六本木の文喫にて、「星に絵本を繋ぐ」井上奈奈 出版記念展が開催されています。

「星に絵本を繋ぐ」井上奈奈 出版記念展 at 文喫 六本木

新刊本だけでなく、井上奈奈さんの著作絵本すべてが楽しめます。絵本の原画から、著書に登場する書籍など文喫全体をめぐって楽しめる仕掛けになっています。

「ウラオモテヤマネコ」表紙原画
「くままでのおさらい」コーナー

10月15日(金)19:30からは出版記念トークイベント「何処にもない本が生まれるまで」があります。本の制作メンバーが揃って、本づくりの過程やエピソードを熱く語る予定です。オンラインでも参加で楽しめますので、ぜひご参加ください。

トーク日から1週間はアーカイブでもご視聴いただけますので、聞き逃した方もアーカイブでぜひ。

参加申し込みURL https://hoshi-tsunagu-bunkitsu.peatix.com/

さらに、文喫での絵本ワークショップも開催される予定です。「文喫で絵本作家になる」2021年10月22日スタートとなっています。こちらも文喫のサイトから申し込みできますので、ご興味ある方ぜひご参加ください。ワークショップで完成した絵本が文喫で展示される予定です。とても貴重な体験となることでしょう。今から展示が楽しみです。

参加申し込み URL :https://ehonworkshop.peatix.com

墨田区の印刷所で表紙の色校の立ち合いをしました

本の原稿が完成し印刷所に入稿たあと、印刷所から校正紙が届くのですが、メンバー全員で色味や雰囲気などをチェックしました。この時、色校で送られてきた表紙の色がイメージとだいぶ遠かったので、印刷所の現場へ行き色の確認を井上さん、デザイナーの芝さんと3人で立ち合いをさせていただきました。

現場で希望する青の色味がなかなか再現できず、オペレーターに何度も試し刷りをしていただいたきました。「青色の中に赤味が感じられないようにしてもらいたい」という、井上さんからの無茶ぶりな要求で、職人さんも「指定の色には赤みが入っているから、難しい」とこぼしつつも、青インクの調色を色々調整していただきました。それでもインクを吸いやすい紙質で1度では理想の青が出ないので青の版を2つ使いたいという芝さんの要求にも、その場で版をもう一つ作っていただいたりもしました。最後には、井上さんが、「マティスのブルーがわかりますか?あの色を出したいんです」という、職人さんに向かって笑ってしまうような言葉が出てきたのですが、職人さんもそれでスイッチが入ったかのように、最終的には見事なマティスブルーの表紙が刷り上がりました。

色校用紙にOKのサインを入れる井上さん
色校の用紙に井上さんのOKのサイン。(蛍光灯のフリッカーが入ってしまいました)
デザイナーの芝さん。「ありがとうございます!」という気遣いが素敵

絵本作りだけでなく、モノづくりに関わる全ての方に届けたい本だと言えます。なによりも本を手に持っているだけでも何故かワクワクできる本です。気になった方はぜひ手に取ってみてください。

2021年10月 gallery kissa
瀧本佳成

星に絵本を繋ぐ
著者  ‏ : ‎ 井上奈奈
出版社 ‏ : ‎ 雷鳥社 (2021/10/6)
発売日 ‏ : ‎ 2021/10/6
単行本 ‏ : ‎ 144ページ
公式特設サイト ‏ : ‎ https://hoshiehon.wixsite.com/home

井上奈奈
作家、画家、時々選書。本に纏わる色々。京都府舞鶴市生まれ、東京都在住。16歳のとき、単身アメリカへ留学、美術を学ぶ。武蔵野美術大学卒業。国内外での個展やアートフェアにて作品発表を続け、近年は絵本作品を発表。2017年には著作の絵本『ウラオモテヤマネコ』『くままでのおさらい』の二作品が舞台化。2018年、絵本『くままでのおさらい』特装版がドイツライプツィヒにて開催された『世界で最も美しい本コンクール』にて銀賞を受賞。http://www.nana-works.com/

ノンストップ! 2021年7月21日放送 シルクスクリーンTシャツ作りに出演。必要道具を解説

2021年7月21日に放送された、フジテレビの朝の情報番組 ノンストップ! このシュミとまれの番組コーナーにて、スタジオ生趣味レーション シルクスクリーンプリントでTシャツづくりで、シルクスクリーンの講師として生出演させていただきました。

生放送の短い時間の中で、出演者の方々「楽しい」と言って取り組んでいただき、さらに全員に素晴らしいTシャツを作っていただけ、最高の時間でした。自分も15分程度の生放送で、描いて・製版して・Tシャツに刷るということが出来るとはオファー前は思っていなかったので驚きです。しかも出演者はぶっつけ本番で!さすがプロですね。

放送後、片付けに追われていて、完成したTシャツの写真を自分で取り忘れたのですが、スタッフの方が撮った写真をいただけたので、掲載させていただきます。

設楽さん
三上さん
角田さん
LiLiCoさん

改めて、ご視聴いただいた皆様ありがとうございます。番組を観てシルクスクリーンを面白いと思っていただけたら幸いです。また、番組作りの時に、夏休みの宿題や、自由研究としてもシルクスクリーンを楽しめるよう、なるべく専門の道具を利用せず、100均などで揃う道具だけでシルクスクリーンを行えるよう試案した方法をスタジオでは行っていただいてます。ただ、別途用意していた道具の紹介写真や使い方のVTRは使われないものが多く、こだわりポイントが全く伝わっていませんので、こちらにまとめさせていただきます。

身近なもので代用すれば3000円くらいでシルクスクリーンを始められますと思います。

まずは、100均で揃う道具一覧です。(以下すべてダイソーで買いましたが、キャンドゥ、セリア、ホームセンターなどでも、揃うと思います)

1.ART CANVAS キャンバス F4サイズ(334mm x 242mm) 200円商品
2.A4サイズ クリアファイル 半透明タイプ
3.黒のカラーボード 厚さ10mm
4.ペイントマーカー 黒
5.工作用タッカー 300円商品と、タッカーの専用針(別売り)
6.セロテープ
7.衣装ケース用 圧縮袋 Mサイズ(あまり大きくない方が扱いやすいです)
8.プラスチックスクレーパー(スタジオでは右の「まな板ヘルパー」をスキージの代用で使いました)
9.100ml 程度のフードコンテナ
10.プラスチック ミニスプーン
11.ヘラの先端の長さよりも長い、細長い容器(乳剤を塗るときに使います)
12.メラミンスポンジ
13.木枠より少し大きめのサイズの板(100均のMDFボード、写真に含まれません)
14.ウェットティッシュ (写真に含まれません)
15.乾いたタオル(写真に含まれません)
16.アイロン(写真に含まれません)

あと、シルクスクリーンで使う特殊な材料でネットや専門店でしか入手できないのは3点だけです。

17.シルクスクリーン用メッシュ 120M

18.ジアゾ感光乳剤(栗田化学研究所 SD-40)SD-40Rの方を自分は使っています。

19.シルクスクリーン用インク

道具は以上です。確かにまとめると、材料が沢山あるので、、、これを見て興味を無くす人が出るかもしれないという懸念が生じたのでしょう。生放送中では道具紹介はされませんでした。

1.~15.の道具を揃えて2000円ほどです。17.~19.の専門資材はご希望であれば、ギャラリーでも小分けして販売します シルクスクリーンメッシュの120Mは 0.5m 500円、インクは1色 100g 500円、感光乳剤は100g 500円です(税込)。F4サイズの木枠のメッシュ4枚分は作れます。16.のアイロンを除き、新たにすべての道具を揃えても、合計3500円ほどで始められます。木枠、タッカー、圧縮袋、ペイントマーカー以外は、身近にあるもので代用できると思います。ぜひ挑戦いただきたいです。

もし質問やわからないことがや、専門資材の購入についても、お気軽にお問合せください

専門資材について他の入手先をご紹介すると、メッシュはアマゾンで「 シルクスクリーン メッシュ 120M 」と検索していただき、テトロン100%もしくはポリエステル製というのを選んでください。1.5m x 2mのものが1200円程度で入手できます。インクはシルクスクリーン用インクで検索すると安いものでは各色 100g 660円くらいで販売しているようです。SD-40感光乳剤は、1kg で2500円です。ネットで検索いただくと2つくらい一般に販売しているショップがあるのと、都内にお住まいであれば、飯田橋にある江口孔版で入手できると思います。江口孔版であれば、メッシュやインクも購入できますし、他の専門道具もすべて購入できます(インクの小分けはされてないです)。zowhowというネットショップでも、シルクスクリーンに関する材料はすべてそろいます。

もちろん、始めるにあたって新たにすべて購入しなくても、お家にあるもので色々工夫していただければ、大丈夫ですが、今回紹介した道具と同一のものが入手できず代用品を購入する場合、購入の際のポイントと小ネタをお伝えします。

1.の木枠ですが、スタジオの出演者の方々には、通常のワークショップでも使っている、油画用のキャンバス用 木製木枠 F4サイズを使用しました。自分がスタジオで手に持っていたものは、100均のキャンバス枠で作ったものです。強度的には、油画用のキャンバス木枠が最適ですが、 100均のキャンバス枠でも問題ないことは確認済みです。ただし、100均の木製写真フレームも試したのですが、写真フレームは強度がなさすぎてメッシュを張るときに壊れましたので、最低でも100均のキャンバス枠が良いです。

2.のクリアファイルですが、OHPフィルムのような両面がつるつるな透明フィルムより、乳白で内側がさらさらしているクリアファイルをお勧めします。つるつるの透明フィルムの場合、ペンで描きにくいのと、黒色がのりにくいです。絵を描くときも内側のさらさらした面に絵を描いてください。また、絵を描くときは、木枠の内側の大きさより、上下左右3cmくらいの余裕をもって絵を描くと、刷るときに刷りやすくなります。F4サイズの木枠の場合、はがきサイズくらいの絵柄が最適です。A4サイズで絵柄を描いてTシャツにしたい場合、F8サイズの木枠がお勧めです。

3.の黒いボードは、感光させるときに、裏側から光が入らないようにするものなので、10mmから20mmの厚みの黒いボードが最適です。段ボールなどを重ねるだけでも良いと思います。放送中気付かなかったのですが、あとで録画を見返したら、だれもこの黒いボードを使っていなくて、冷や汗が出ました。よくあの状態で無事製版できたと思いますが、もし太陽光で露光する場合は、裏側を塞がないと版画全体が焼けてしまいます。外に出すときは必ず必要になりますので、ご注意ください。

4.のペイントマーカー黒というのは、振ると塗装のスプレー缶のように、カチカチと音がする油性マーカーです。ペン先にインクを染み出させて書くペンです。同じように思われますが、マッキーのような、油性マーカー、名前ペンでも試しましたが、いわゆる油性ペンだとスタジオで紹介した方法では製版できませんので、ご注意ください。

5.のタッカーでメッシュを木枠に貼ります。ネットで「キャンバスの張り方」などで検索して同様の方法でメッシュを張ってください。通常はキャンバス張り器という道具を使って、テンションをかけて張るのですが、なくても手でしっかり引っ張って、タッカーで止める方法でも大丈夫です。 キャンバス張り器の代わりに手で引っ張ってください。ただ、F4サイズ程度であれば、手張りで大丈夫ですが、F8サイズ以上の木枠で作る場合は、キャンバス張り器があったほうが良いかもしれません。

6.のセロテープは当日スタジオでは、使いませんでしたが、圧縮袋に入れる前に、描いた絵をセロテープで木枠のメッシュの上にのせたあと、テープで貼って固定すると絵柄がずれたりしないです。(放送では設楽さんが手をこまねいていました)透明ではがしやすいテープであればなんでもいいです。

7.の圧縮袋は自分が考案した手法ですが、よく使われるガラス板で絵柄を密着させる方法より、はるかに密着度が高く、精度の高い製版ができるようになります。スタジオではアマゾンで販売していた手動ポンプで空気を抜くタイプを使っていますが、100均で売っている、掃除機で吸い取るタイプでも大丈夫です。可能であれば、光に当てている間ずっとハンディ掃除機などで吸い取って、空気が入らないようにした方が良いです。空気を抜く利点は、密着度を高める以外にも、紫外線で硬化する感光乳剤が硬化時の化学反応である重合化反応を酸素が阻害するのを防ぐ役割もあります。またガラスは紫外線を反射・吸収し、5mmのフロートガラスだと30%くらい減衰してしまいます。密着度を高めつつ、感光乳剤の硬化が早くなるので圧縮袋の使用をお勧めします。100円なので、ガラスより安いですし、100cm x130cmという圧縮袋もあるので大きな版にも対応できます。

8.スキージの代用として、 スタジオでは100均の「まな板ヘルパー」という商品を使いました 。代用として幅の広いヘラがあれば何でもよいのですが、ポイントとしては、1.ヘラ先が真っすぐで平であること、2.ゴムだった場合、柔らかすぎないこと、3.金属のように硬すぎてメッシュを傷つけないもの、です。写真にあるような プラスチックスクレーパー や、期限切れの、クレジットカードのようなカード類でも大丈夫だと思います。色々工夫してみてください。

9.フードキーパーはインクの色を調合したり、保管するのに使います。100mlくらいの小さいサイズで、小分けで使うのをお勧めします。購入したインクがもともとボトルなどに入っている場合は、不要です。

10.プラスチックスプーンは、小さめで、スプーンの部分が極力浅いものがいいです。深いスプーンはインクが取りにくいです。インクの硬さはヨーグルトからピーナッツバターくらいなので、バターナイフのようなのが一番インクをすくいやすいと思います。

11.の細長い容器は 18.の乳剤を入れて、メッシュに薄く塗るときに使います。通常は専用のステンレスバケットというものを使うのですが見た目によらず高価です。塗るときは、8.のスキージの代用のスクレーパーを使って、メッシュに薄くまんべんなく塗ります。番組のVTRで少しだけ塗っているところが出てきました。

12.のメラミンスポンジは放送内では出てこなかったですが、版を洗う時など、インクを版から落とすのに最適です。ただ、メラミンスポンジで、ゴシゴシこすると、焼き付けた絵柄が壊れる場合があるので、水をよく含ませて優しくなでるように使用してください。

13.のMDFボードは、Tシャツなどに印刷する場合、印刷する生地の下に入れて印刷面を平らにするのに使用します。板を挟めば、トートバッグなどにも同様に印刷できます。平であれば、まな板でも何でもよいですが、表面がつるつると滑るものは印刷時にずれたりするので、お勧めしません。

14.のウェットティッシュは水分100%で、アルコールが含まれていないものを用意してください。使用している水性インク用の感光乳剤はアルコールなどには弱いので注意してください。紙製のお手拭きなど、こするとボロボロと崩れるものはNGです。

15.乾いたタオルは、濡れた版を拭いたりするのに使います。自然乾燥でも大丈夫です。

16.アイロンは印刷したあとに、インクを定着させるのに使用します。印刷したあと中温程度にセットして当て布をして3分あててください。しわを伸ばすのではなく、熱で圧着させるのに使用しますので、上にのせるだけです。あらかじめ、生地が焦げないか、目立たない場所でテストしてください。長時間あてても焦げない温度にセットしてください。インクが固まる前にアイロンでこすると印刷したところが滲んだり、擦れたりします。慣れないうちは、印刷したあと、15分くらい自然乾燥させてからアイロンをかけるとよいでしょう。アイロンを使わず、自然乾燥するインクもありますが、自分が試した中で自然乾燥するインクで洗濯に耐えられるお勧めのインクはありませんでした。

17.シルクスクリーンのメッシュはメッシュの細かさによって色々販売されています。120Mは120メッシュと読み、1インチ(2.54cm)の間に縦と横均一に、120本の繊維が織られているという意味です。Tシャツなどには、80M~200Mが一般的に使われていますが、綿生地のTシャツには120Mが一番最適です。120Mだと細かい柄や線が印刷できないということは全くないです。自分のシルクスクリーンストアで販売しているものは、すべて120Mで制作しています。

18.ジアゾ感光乳剤は、主に使用するインクが水性か油性かによって使い分けます。使用しているSD-40という感光乳剤は水性インク用の感光乳剤ですので、印刷時に油性インクは使用できません。 SD-40は容量が大きいのに値段が他に比べて安いので、ずっとこの感光乳剤を使い続けていますが、趣味で使うには量が多すぎかもしれません。ギャラリーで小分けしても販売しますので、お問い合わせください。100g 500円+送料で全国発送します。ただし、到着後1か月以内で使い切っていただき、明るい場所での使用は避けて、冷蔵庫などのような冷暗所で保管してください。

19.シルクスクリーンのインクは色が付いた状態でアマゾン他、ネットで沢山販売されています。印刷後の後処理などは、インクの使用説明をよく読んでご使用ください。自分では使ったことないですが、手軽に始めたい場合、アクリル絵の具と木工用ボンドを1:1で混ぜて使用しても、シルクスクリーンの印刷ができるようです。自分は色付きのインクを買うより、その都度、使いたい色を調合して使う方が好みなので、バインダーと呼ばれる色のない糊に、アクリルの顔料を混ぜてインクを作っています。バインダーはWeb-stance というところのAQUAゾルというバインダーを使っています。主に白系の薄い色のTシャツには、クリアバインダーに顔料で色を付け、黒や紺などの濃い色のTシャツには、マットバインダーに顔料を加えます。また、白色をきれいに印刷したい場合はホワイトバインダーを使用します。アクリルの顔料については、藍熊染料のスーパーカラーを使っています。なお AQUAゾル バインダーは熱硬化型バインダーと言って、インクが自然乾燥しないので、メッシュの目詰まりが起こりにくく、とても取り扱いやすいインクです。自然乾燥するインクの方が楽だと思われるでしょうが、インクの乾燥が早いと版が目詰まりしすぐに使えなくなるので、初心者にはお勧めしません。ただし、印刷したあと必ず、アイロンなどで160度程度の熱を3分ほど加える必要があります。アイロン処理が少し面倒ですが、色の再現性、洗濯堅牢性が非常に高いのでお勧めです。

最後に露光についてですが、実際に太陽光で今回のセットを使って試験しましたが、晴れた日の12時に太陽に向けて60秒の露光で問題なく製版できました。ただし、露光時間などは使用する感光乳剤によっても違いますのでご注意ください。普段はスタジオに登場した自作の露光機を使うので、太陽光下での十分なテストはできてませんが、もう少し短くても良いかもしれません。色々試して結果を教えていただけると嬉しいです(どなたかの夏の自由研究に託します)。曇りの日でも時間を調整して長時間当てることでもできますが、強い紫外線の下に短時間で製版した方が、抜けが良いです(メーカーの研究者に聞きました)。放送中の「ひたすら天気の良い日を狙う!」というキャッチは番組ディレクターが面白いからと入れたもので、自分が言った言葉ではないですが、間違えではないです。また太陽光の良い点は、大きな版を作っても機械に入らないことがないということです。例えばサイズS30などの 91cm x 91cm の木枠で、巨大な作品を作っても、100cm x 130cm の布団用圧縮袋が売っているので、同じように露光できます。誰か強者がいたら試してみてください。

続いて、具体的な使い方について解説したいところですが、記事が長くなりすぎたので、また機会があれば記事をアップしたいと思います。可能であれば、4000円から作った版をお持ち帰りできるシルクスクリーンワークショップをやっていますので、一度ご参加ください。

あまりに、用意するものが多いので、挫折してしまう人が続出しないよう願っています。基本的には、1.木枠、2.メッシュ、3.感光乳剤、4.ペイントマーカー、5.圧縮袋の5つが最重要アイテムです。他は、身近なもので代用して工夫できますので、気軽に試していただきたいです。

なお、キッサでのシルクスクリーンワークショップはこちらからお申込みいただけます。

そして最後に宣伝。出演中に来ていたTシャツはこちらから購入できます。7月13日のノンストップ!にも登場された、彫刻家はしもとみおさんのパパが描いた絵柄のTシャツです。番組冒頭のVTRにあった、黒柴Tシャツのイラストは、はしもとみおさん本人のイラストでモデルは初代月君です。その「悪い顔の犬」Tシャツも下のショップで販売しています。

創作絵本展vol.5 From my first picture book 2021/7/17-8/1 開催のお知らせ

ゼロからギャラリー発表まで絵本作家と創る「絵本創作ワークショップ」から生まれた絵本たち vol. 5

絵本作家 井上奈奈さんを講師に迎えて始まった「創作絵本ワークショップ」5期生の展示を2021年7月17日(土)より開催します。

また、第6期絵本創作ワークショップの募集もスタートしました。 絵本作りにご興味がある方は是非ご参加ください。

5期生の作品をご紹介

作家紹介(順不同)

■作家名 子田かおり
■TITLE アナベル

有声無声の呼応であふれている自然界。

あら、どこかの誰かが、かくれんぼ遊びを始めました。

さぁページをめくって、こっそり覗いてみましょう。

切り絵で制作された作品で、シンプルでおしゃれな絵柄とかくれんぼ遊びで構成されたストーリーがマッチしていて、つい引き込まれてしまいます。アナベルという作家さんが大好きなアジサイが登場しますが、丁度今の梅雨の時期にもぴったり。物語から色々想像を膨らませて読み込んでいただきたいです。余談ですが、夜中に「アナベル」で画像検索したら、心臓が止まるかと思いました(汗)。どんな花か調べたい方は「アナベル 花」で検索されることをお勧めします。。。

■作家名 つくいえりこ
■TITLE たのしすぎるトビラ

どうぶつ村にビックリハウスが落ちてきた!中には不思議
なトビラがたくさん。好きなトビラを開けてみると・・・
  
どこかに行きたい、何かしたい。でも、思うようにはいか
ない現実。せめて、空想力で”今”を楽しめたら・・
と願いを込めた作品です。 

たのしすぎるトビラというタイトル通り、トビラを開く毎に、たのしすぎる世界が展開します。世界で感染症がまん延する中、旅行に行きたくても、なかなか自由に出かけれられれない今だからこそ、手に取って絵本をめくって楽しんでいただきたい。そんな1冊です。

■作家名 いしみず ズコ
■TITLE ハヒフヘホッジは ねむらない

ホッキョクジリスの5つごちゃん。
冬はね、なんにもなくてつまらない。
おまけに寒くて動けない。
5つごちゃんにとって、冬は眠って春を待つもの。
…のはずなのですが。

アラスカで体験されたことがヒントに生まれた物語で、ホッキョクジリスというアラスカなど、北極地方に生息し、通常1年のうち9カ月は冬眠して過ごすリスの子たちが主人公。第3期のワークショップにも参加された作家さんですが、今回は通常のワークショップの20ページ構成ではなく、通常の絵本構成の36ページに挑戦されました。壮大な世界を描くのに小さな主人公を登場させるのが得意な作家さんです。小さな生きものからみると、世界はより大きく不思議な世界に映るのだと感じさせられます。

■作家名 さがあまね
■TITLE ふーっとしたらゆげのまち

コハナはお母さんが作ったスープをのみました。
スープに息をふきかけると、
ゆげから妖精があらわれて、ゆげの町へ・・・
小学4年生がはじめて作った絵本です。

井上奈奈さんの創作絵本ワークショップでは、最年少の小学4年生の作品です。大人が子供の目線になって描いた絵本と違い、シンプルな文章や絵、それぞれがなぜか、とても新鮮に感じてしまいます。全ページ、アクリル絵具で描かれた絵本で、主人公の女の子の表情やしぐさが素晴らしいです。展示期間中は原画も展示します。原画がまたすごいので、ぜひ展示期間中に実物を見に来ていただきたい作品です。

■作家名 国分チエミ
■TITLE ふたつの宝石

偶然見つけたふたつの宝石。
それを仲良く分け合った
兄弟の「それから」の物語。
ふたつの宝石が、ふたりの
人生を大きく揺さぶります。 

前回の4期にもご参加された国分チエミさん。ついつい引き込まれてしまう、緻密で繊細なイラストがとにかく素敵ですが、物語もまた一段とイラストの世界を膨らませていています。どこか出版したい出版社があれば、ぜひ声をかけてください。

■作家名 ノサチカ ミサキ
■TITLE こんなふうにおもったの

どこからかただよう気になる香り。
一羽のことりと一匹のアルマジロ、それぞれが香りに誘われて、
色々な想像を巡らせながらたどり着いた先には・・・?

香りの感じ方は人それぞれ。
いろんなことが想像できるし、見る人が違えば見方も変わる。
ちょっとした仕掛けも楽しんでいただけたら嬉しいです。

色鉛筆とパステルで描かれたやわらかな絵で構成され、「香り」がキーワードとなっている絵本です。アーティスト気質の作家さんで、アロマセラピストもされています。香りから読んだ人を新たな世界に導いてもらえるかもしれません。

ワークショップの一部様子です。

講師プロフィール
井上奈奈 http://nana-works.com/
画家・絵本作家。京都府舞鶴市生まれ、東京都在住。16歳のとき単身アメリカへ留学、美術を学ぶ。武蔵野美術大学卒業。主な著作に絵本『ウラオモテヤマネコ』『ちょうちょうなんなん』などがある。2018年『くままでのおさらい』特装版が『世界で最も美しい本コンクール』にて銀賞を受賞。

また、第6期「絵本創作ワークショップ」の参加者の募集も開始しました。第6期は2021年8月7日スタートで、2021年11月の展示予定です。最終回の製本作業以外はオンラインでの参加も可能となりますので、ご興味ある方はぜひお申込みください。

最後にお知らせですが、井上奈奈さんの「創作絵本ワークショップ」から派生した、井上奈奈さんの絵本にづくりのエッセンスをまとめた本の出版が決まり、現在制作を進めています。9月中旬ごろ雷鳥社より発売予定となっています。

井上さんの絵本がどのようにして生まれたのか、ものがたりが生れるところから、印刷・製本の過程まで、余すことなく知ることが出来ます。また、絵本の作品集としても楽しめるだけでなく、ブックデザイナーから、製本家、印刷所の方々のインタビューなども交えて、本づくりの裏側まで知ることのできる貴重な一冊です。「創作絵本ワークショップ」についても内容を知ることが出来ます。ぜひ、お楽しみに!

井上奈奈 著 「星に絵本を繋ぐ(仮)」 雷鳥社 9月中旬発売予定

お申込みと詳細は https://gallerykissa.jp/picturebook/ へ

会期:2021年7月17日(土)~ 8月1日(日)
水-土 12:00~19:30 日 12:00~17:00 定休:月火

gallery kissa
東京都台東区浅草橋 3-25-7 NIビル4F
03-5829-9268  https://gallerykissa.jp/
JR 浅草橋駅東口徒歩7分
浅草線蔵前駅A1 A3出口徒歩3分
大江戸線蔵前駅徒歩8分

志村リョウ個展「カバのハコブネ」延期のお知らせ

志村リョウ個展「カバのハコブネ」延期のお知らせ

5月23日からの開催を予定していましたが、新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大の防止を考慮し延期となりました。また日程が決まり次第再度お知らせいたします。

何とぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

2020年4月21日
gallery kissa
瀧本佳成

臨時休廊のお知らせ 4月11日~5月17日

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響を考慮し、4月11日から5月17日まで休廊させていただきます。

一刻も早い新型コロナウィルスの終息と、みなさまの健康を、心からお祈りしています!

2020年4月10日
gallery kissa
瀧本佳成

TONES2020 村治奏一ライブ、新型コロナウイルス対応について

新型コロナウイルス発生をうけ、多くのイベント・コンサートが中止になっておりますが、3月20日、21日、22日に行われるTONES Liveは、予定通り開催いたします。開催にあたりまして、以下の点を遵守いたします。ご理解、ご協力のほどお願いいたします。

・定員を25名としていましたが、20名に変更し、奏者及びお客様ごとの距離が近づきすぎないように配慮いたします。

・当日体調の悪い方、発熱のある方はキャンセルのほどお願いいたします。返金の対応をさせていただきます。

・入り口、トイレに消毒液を設置いたします。出入場時、トイレ使用前後に必ずご使用ください。

・換気のため、各ライブ終了後窓を開けさせていただきます。

・サイン会は行いません。

・近い距離による会話からの飛沫感染の可能性があるため、演奏終了後はすみやかにお引取りのほどお願いいたします。

・奏者および関係者への物品の受け渡しはお断りいたします。

・各回終了後、会場のドアノブや手すりの消毒など、会場清掃をいたします。

​ 皆様に安心して音楽を楽しんでいただけるよう努めて参りますのでよろしくお願いいたします。

​村治奏一、Gallery Kissa

2020年3月3日更新

村治奏一 TONES Live ギターソロ・ギャラリー公演 / gallery kissa

こちらのリンクからチケットご予約いただけます。
https://gallerykissa.jp/shop/category/item/itemgenre/event

3.20 (金・祝) 11:00~12:00 10:30開場
3.20 (金・祝) 15:00~16:00 14:30開場
3.21 (土) 11:00~12:00 10:30開場
3.21 (土) 15:00~16:00 14:30開場
3.22 (日) 10:00~10:50 9:30開場 (親子向けライブ)
3.22 (日) 14:00~15:00 13:30開場
入場料: 3,000円(税込) 定員 25名 20名