君の天井は僕の床 1 × MANSION PLANTER – PULL + PUSH PRODUCTS.

PULL + PUSH PRODUCTS. EXHIBITION | inspiration | も残りあと1週間となりました。

会期中盤ごろに、足をお運びいただいた方に、鴨居まさねさんという漫画家の作品「君の天井は僕の床」に、PULL + PUSH PRODUCTS. のマンションプランターが登場しているという情報をいただきました。

そのお方は、漫画を読んで以前から長いこと実物を探していたらしいのですが、検索の仕方がわkらず、しかも、実在するのかも漫画の中ではわからないので、たまに思い出しては探していたらしいのですが、丁度、会期中に、マンションプランターを見つけていただき、企画展示にも来ていただきました、

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気になったので、漫画の名前を教えてもらい、早速入手しました。確かに、1巻の初めのほうに登場していました。しかも、かなりリアルです。疑いの余地がないほど、そのまんまですね。似たようなデザインのものかと思っていたので、これは驚きです。

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デザイナーの佐藤延弘さんに、漫画の存在を聞いてみたところ。漫画に出ていたのは知らなかったようです。「こういうことってあるんですね。 なんか、とっても不思議な感覚ですが、うれしいです。」と返事が返ってきました。

漫画の絵を見て、実物を探し当てていただいた方、本当によかったです。ちょうど、展示期間中だというのも、うれしいです。

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MANSION PLANTER – PULL + PUSH PRODUCTS.

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MANSION PLANTER 左は墨黒色、右はモルタル素の色

「君の天井は僕の床」はツイッターの公式アカウント @kimi_ten があるようです。#君天ドラマ妄想 というハッシュタグがあるようだ。ドラマ化だったら、この MANSION PLANTER の実物登場は必須でしょう。と妄想をしてみました。

robann | PULL + PUSH PRODUCTS.

3ミリのスリットと11ミリx11ミリの升目 robann シリーズ

PULL + PUSH PRODUCTS. がとうとう木工に手を伸ばしました。

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このシリーズは、デザインを佐藤延弘さんが手がけ、木工の加工については、岡山県津山市でオーダー家具の制作を行っているヨネモノという工房で行われています。京都の大学からのお知り合いだそうです。

材質は無垢のナラを使っています。

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この美しいフォルム、見ているだけで背筋が伸びます。

これは何かというと「御札立て」、もしくは「御神札立て」です。一年の商売繁盛や、家内安全・無病息災などを祈るお札を立てる壁掛けの台座ですが、これが出来たきっかけは京都のショップ comado で商売繁盛のお札を壁に両面テープに貼っていたところ、「万一剥がれて落ちたら、とても縁起が悪いのでお札立てを置きなさい」と近所の方に言われたのがきっかけだそうです。その後、お札立てを探してみるものの、お店に似合うものが見つからず、自らデザインして、知り合いの木工作家に依頼し制作したのが robann  ofudatateです。

現在、唯一 robann シリーズで販売しているプロダクツとなります。

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robann ofudatate

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robann hako

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手前のように、蓋が開いていないと、閉じていると蓋には見えないので、単なる置物のキューブのようです。ちょっとした、小物や大切なものを入れて置くと幸せな気分になれますね。また、贈り物を中に入れて、渡したとき、受け取った人が、「んっ?」という顔するのが思い浮かびます。

今回の展示では、robann hako は試作段階のものです。よく見ると、それぞれの箱は違った加工で作られています。

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robann bench

ちょっと、背の低いベンチですが、これも京都 comado ショップで使用されているベンチで、元々コンクリートで段差があるところに、腰かけるために作ったベンチだそうです。

これだけ大きなものになると、11ミリx11ミリの升目に迫力が出てきます。

かなりのスパンがありますが、大人が座っても問題のない強度があります。とは言え、体重をかけるには勇気がいります。

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この robann bench のすごいところは、裏側まで升目が加工してあります。裏側はツルツルなんだろう、という想像を簡単に裏切ってくれます。

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PULL + PUSH PRODUCTS. の出す木の製品、robann シリーズ、今後の展開がとても気になります。

12月7日 第一土曜日 蔵前マップ 12月20日(金)は Nui. でジャズライブ

少し寒いですが、気持ちの良い天気が続いていますね。今月7日の第一土曜日の蔵前マップです。

gallery kissa で行われている、PULL + PUSH PRODUCTS. EXHIBITION | inspiration  は 12月14日(土)まで、いよいよあと10日ほどになってしまいました。デザイナーの佐藤延弘さんのプロダクツの全体像が一度に体験できる貴重な展示内容になっております。ぜひ、gallery kissa まで足を運んでいただければ、幸いです。

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また、12月の三連休の前日の金曜日、12月20日(金)は、Nui. でジャズライブを企画しています。夏の SUMMER NIGHT JAZZ LIVE に続いての第二弾です。今回も女性二人のジャズ・デュオライブです。ピアノは、前回に続き、田中菜緒子さん、そして、ジャズフルート界の”鬼才”で知られる、太田朱美さん。すごいことになりそうです。

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場所: HOSTEL & BAR LOUNGE Nui. 1F
日時: 12月20日(金)

開場: 18:00/1st セット 19:00/2nd セット 20:30 / 21:30 終演
チケット代: 2,000円(1ドリンンクオーダーお願いします)

image_profile7NAOKO TANAKA / 田中菜緒子(pf)

福岡県出身。幼少よりピアノを習い、クラシックでは様々なコンクールで入賞。ブルガリア国際コンクール第一位。 桐朋学園大学ピアノ科卒業後、JAZZやポップスの活動を始める。積極的に作曲を手掛け、2009年にオリジナル曲を中心に活動するというコンセプトで、Proteanを結成。 持ち味はクラシックで培ったテクニックとハーモニーの美しさだけでなく、エッジの効いたリズム感覚とパワフルな演奏にあり、見るものを圧倒する。現在、都内を中心にライブ活動を行い、年間200回以上のライブ活動やレコーディングで活躍している。今年の9月に上海で初の海外遠征ライブも行い、活動範囲を海外へも広げている。

Nui.でのジャズライブの出演は、大好評だった本年8月の若手女性デュオライブに続き2度目。

<主な共演ミュージシャン> GAKU-MC、桜井和寿(Mr.Children)、つんく♂、岡本真夜、mihimalGT、SOFFet、伊藤ふみお(KEMURI)、高野千恵、宮崎隆睦(元T-SQUARE)、岡崎好朗 etc

ホームページ http://tanakanaoko.com/

Akemi_OHTAAKEMI OHTA / 太田朱美(fl)

鳥取県米子市出身。幼少よりピアノを演奏する。中学より吹奏楽部に入部。そこで初めてフルートを手にする。大学で蘚苔(こけ)類の研究をする傍らジャズに明け暮れ、そのままプロになってしまったという根っからのジャズマン。大学卒業後に東京に演奏の舞台を移し、自らの世界を広げることを決心する。今年は、東京での活動を始めて10年目の区切りの年となる。 2005年、スイングジャーナル日本人プレイヤー人気投票、木管楽器部門で初登場11位を獲得。同年、米ニュージャージーにて、ルーファスリードを迎えた河野三紀クインテットのアルバム録音に参加。小さな身体に似合わないエネルギッシュ&アグレッシブな演奏には”ジャズフルート界を代表する奇才”との定評がある。

織原良次(b)、石田衛(pf)、橋本学(dr)をメンバーとする自己のカルテット”Risk Factor” を持ち、2012年にセカンドアルバム、”私を動物園につれてって”を発売。彫刻家はしもとみおとコラボで”ライブ彫刻”セッションを名門老舗ライブハウス「新宿ピットイン」で演奏するなど、常に新たな表現方法を追及している。東京、埼玉、千葉、横浜を中心に、全国各地で毎日のように活動を行っている。

ホームページ http://www.geocities.jp/akemi_flute/

 

席はスタンディング中心ですので、ご了承ください。 場所:HOSTEL & BAR LOUNGE Nui. 1F(東京都台東区蔵前2−14−13)

要予約:メールが電話にて承ります。 メールの場合は live@backpackersjapan.co.jp まで「名前・人数・連絡先」をお送り下さい。

なお、電話受付は9時から21時とさせて頂きます。

Nui. HOSTEL & BAR LOUNGE 03-6240-9854 担当:宮嶌

MORTAR モルタルシリーズ | PULL + PUSH PRODUCTS.

11月15日から開催している PULL + PUSH PRODUCTS. EXHIBITION | inspiration | ですが、丸2週間を過ぎ、もう折り返しとなりました。だんだんと寒さが増してきましたが、12月15日(土)までですので、ぜひ足をお運びいただければ幸いです。くれぐれも風邪をひかぬよう、暖かくしてお出かけください。

定番シリーズの MORTAR – モルタルシリーズのご紹介です。

MORTAR モルタルシリーズは、PULL + PUSH PRODUCTS. のデザイナー佐藤さんが、2002年独立以来、作り続け定番となっているシリーズです。そして、佐藤延弘さんのものづくりに対する、考えや重いが、ぎっしりと詰まっており、記念すべき第一弾のプロダクツ作品でもあるのが下のHOUSE INCENSE POT (香炉) です。

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HOUSE INCENSE POT 左から、大きなクリアガラス窓、カラフルな色ガラス窓、クリアガラス窓がに2つの家、3種類あります。

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PULL + PUSH PRODUCTS. HOUSE INCENSE POT

煙突から立ち上がる、お香の香りと煙。2年半くらい前に、個人的に京都の竜安寺近くにあるPULL + PUSH PRODUCTS. のプロダクツを専門に販売する小さなん店舗 comado で買ったものですが、年月を経てさらにいい感じになってきています。また、発売から11年経ても全く色あせないデザイン性の高さ、これこそが PULL + PUSH PRODUCTS. の強みだと思います。

佐藤延弘さんは1999年京都精華大学 美術学部デザイン学科建築分野 卒業、大学では主に建築デザインを学びますが、構造物の建築よりも、家具が作りたくてデザイン学科に入られたそうです。京都精華大学の建築学部は、建築だけでなく、分野外でも興味あることは何でもやらせてもらえるところに惹かれたそうです。卒業後、家具作りを目指しますが、最終的には、遊園地の遊具などを作る造形会社に就職します。FRP(繊維強化プラスチック)で造形物を作る会社でモノづくりを学び3年後に辞め、独立して活動を始めます。

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佐藤さんのモノづくりの原点にあるものは、”素材” への純粋な魅力。そして、本来の使い方とは違った角度でその魅力を見出し、生活の中に取り込むものを作りあげます。小さなお家の形をした香炉は、煙突からお香の煙が出てきます。見ているだけで、小人が中に住んでいるのでは、と思ってしまうくらいかわいらしい香炉です。素材は、モルタルという雑貨では珍しい素材を使っていますが、建築ではお馴染みの素材であるコンクリートとほぼ同一の材料です(簡単に言うと、セメントと水と砂をまぜたのが、モルタルで、さらに砂利を加えているのがコンクリートです)。コンクリートは家の基礎から、鉄筋コンクリートビルなど、近代建築には欠かせない材料で、型枠を作りそこに流し込んで固めると構造物になります。

その型枠を作って流し込むのと同じ工程と、工業製品にはない独特の質感を出すため、モルタルシリーズは木の型枠を作り、そこにモルタルを流し込みます。型枠で使った木目が表面に表情としてあらわれますが、ここがこだわり部分で、木目の方向や形状がしっかり出るように作られています。木目がつぶれたら型枠も使えなくなるので、鋳型のように、何度も何度も使える物ではなく、2・3回使うとだめになってしまうそうです。しかも、面ごとに違う木目の型枠があり、その組み合わせでも違うものができるので、プロダクトとして完成した形はあるものの、その表情は1点1点違い、2つとして同じものは出来上がりません。

そのすべての工程を佐藤さんは、全行程をほぼ1人で、デザイン段階から制作、パッケージに至るまでの作業を行っています。

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BUILDING CANDLE COVER

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FUSHI PLANTER

佐藤さんによって命を吹き込まれた、モルタルシリーズのプロダクツは、時間の経過とともに、その表情を変えていきます。

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TRUSS PLANTER

モルタルは、年月と共に表面にしみやひび割れが生じるのですが、このエイジングしていく佇まいを楽しむのが、何よりの魅力だと思います。

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ARCH PLANTER / SUNABA SAUCER

「コンクリートは本来、建材として外で使うものだけど、外のものをインテリアとして家の中に取り込み、外と内の境界を曖昧にする」というのも、コンセプトの一つだそうです。コンクリートで出来た、アーチ状の橋、公園にあるお砂場、そういったもののミニチュア版(でも、単なる縮小ではありません)が家の中に存在するというのが、木材(木工)や陶器などのように、古代から家の中に取り込まれていた素材とは違う素材をあえて使っているところが、モルタルシリーズの、もう一つの魅力だと思います。

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MANSION PLANTER + バロックベンジャミン(花屋KUKKAさん植え込み)

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PE(ペ) by PULL+PUSH PRODUCTS.

PE シリーズは、モルタルシリーズに続いての PULL + PUSH PRODUCTS. 定番シリーズですが、構想からプロダクトの仕上げまでに5年ほど費やしています。

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PE(ペ)というシリーズ名は、ポリエチレン(Polyethylene)という材料の略表記 “PE” をそのままローマ字で読み、「ペ」と呼んでいます。

おそらく、PEを見たことなく、説明を受けたことのない方々は、これが一体どうやって作られているのかは想像がつかないでしょう。このプロダクトの元となる素材は、ポリエチレン袋、それは日用品で消費されている透明なゴミ袋と同一の素材です。

このゴミ袋と同じ0.02ミリほどの薄い透明の素材を、「電気アイロン」を使って、デザイナーの佐藤延弘さん自らの手で、ゆっくりと溶かし、時間をかけて何層にも重ね合わせていくことで、独特な発色で耐久性・耐油性があり、しかも軽量でしなやかな素材に作り上げます。表面に現れる、しわ加減、凹凸、触り心地、そのすべてを、佐藤さんの「経験と感性」により丁寧に作り上げているものです。

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素材はポリエチレンのみ、接着などの加工は熱だけで行う。この徹底したシンプルさで見事に仕上げられています。

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現在は、バッグの他、カードケース、小物入れ、書類ケースなどに発展させています。その他、ギフトのラッピング用などの用途で作られた、半透明の「PE うすいふくろ」というのもあります。

 

また、今回の展示では、新たな試みとして ”PE_EPE” というプロダクツの試作品も展示しています。

これは、EPE(発砲ポリエチレン)を素材にしたバッグです。発砲ポリエチレンでも、通常、製品化されるときに廃棄される部分の「ミミ」と呼ばれる部分を使って、独特の表情を生かしています。

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今回の展示の、佐藤延弘さん”アトリエコーナー”に掛けられた不思議なオブジェもこの、PEから派生しています。

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「黄色好き」という佐藤延弘さん自身が使われている、PEのバッグ。

すでに数年経っているそうですが、くたびれた様子は全くありません。長い年月をかけて徐々に馴染んでいく様子は、なんとも言えない感動すら覚えます。

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PE PULL+PUSH PRODUCTS.

MORTAR PLANTER + 花屋KUKKA | PULL+PUSH PRODUCTS. EXHIBITION | inspiration

PULL + PUSH PRODUCTS. 定番のプロダクツのモルタルプランター

今回は、人形町の花屋KUKKAの関根正道さんにモルタルプランターへの植え込みをお願いしました。モルタルプランターシリーズは、PULL + PUSH PRODUCTS.さんのホームページなどでも、観葉植物や草などが植え込みされているのが、多いのですが、お花が中心となっています。モルタル+花という新感覚な組み合わせですが、モルタルプランターは、何を植え込んでも素敵に映えます。

KUKKA(クッカ)はフィンランド語で「花」という意味だそうです。ギャラリーキッサのKISSAはフィンランド語で「猫」という意味で、KUKKAさんとは、フィンランド語店名つながりでもあります。

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DAN FLOWER VASE –  ダイヤモンドリリー

花びらを目を凝らしてのぞいてみると、ダイヤモンドのようにキラキラと光って見えます。ピンクの色と、キラキラがとても可愛らしいお花です。

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DAN FLOWER VASE 墨黒色 – アナスタシア「シャムロック」

緑が印象的な、一輪菊。なかなか豪快に咲いています。

DAN FLOWER VASE は一輪挿しの花瓶です。上から眺めると輪郭が、地図の等高線のようにみえます。これは山を表していて、「山の頂上にお花が一輪咲いている」というストーリーで作られたそうです。花瓶部分は高さが半分くらいの試験管のようなものが取り出せて、そこに水とお花が活けられるようになっています。

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今回KUKKAさんに選んでいただいた花は、山頂に咲く小さな花、というより、山の上で打ちあがる花火のようです。

なお、一輪挿しに活けてあるお花は、週替わりで入れ替えていただいています。来週からはまた、違ったお花に出会えます。

 

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PIPE PLANTER – カトレア(CW)

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TRUSS PLANTER – カジュマル

このプランターは、すでに使い始めて時間が経っているものを、あえて使用しています。このシミの感じを楽しむのが、PULL + PUSH PRODUCTS. のモルタルシリーズの醍醐味です。

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MANSION PLANTER 墨黒色 – アランダ

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MANSION PLANTER – モカラ

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ARCH PLANTER – アランダ

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USUKABE PLANTER – ワイヤープランツ

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HEI PLANTER – グリーンネックレス

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TRUSS PLANTER 墨黒色 – 葉牡丹(ルシアンブラック)

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今回は、どれも水やりは少な目で、メンテナンスも簡単なお花や植物を選んでいただきました。植え込みしているモルタルプランターシリーズは、植物とともにお持ち帰り可能となっています。

花屋KUKKAさんのホームページはこちらです。 http://www.ines-c.co.jp/

satonobuhiro hitotsuhitotsu | PULL+PUSH PRODUCTS. EXHIBITION | inspiration

satonobuhiro hitotsuhitotsu」はPULL+PUSH PRODUCTS.のデザイナー佐藤延弘さんが、従来のプロダクトシリーズと違う形で、1つ1つ、インスピレーションや想いといったものを形にしていくというシリーズです。プロダクト=”製品”という型枠にとらわれず、モノづくりをしている先に(中で)生まれてくる、言葉に表せない状態のものを形にしています。

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PULL+PUSH PRODUCTS. の生み出すプロダクツには、それぞれ様々なストーリーがあり、時間とともに、その秘められたストーリーが展開していきます。まるで、プロダクツが生きているかのように、それぞれの手に渡った先々で新しい物語が発展していきます。モルタルシリーズに刻まれる、傷やひび、シミや、欠け、全てが予測のつかないストーリー。そんなことを日々楽しむのが、PULL+PUSH PRODUCTS. が作り出す世界観だと考えます。

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satonobuhiro hitotsuhitotsu」に込められたものは、そのストーリーすらも壊して、生まれては消える、アイディアの源泉のようなものを形にしたと言えます。

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MORTAR BOX

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satonobuhiro hitotsuhitotsu」のコーナーには、4つの異なる表情を持ったモルタルの箱が置かれています。佐藤さん曰く、この箱は、「何かを入れるために作られた箱ではなく、モルタルで箱を作るために作られた箱」ということです。

ストーリーが作りこまれた、プロダクツとしての箱というより、箱からストーリーを創り出す。大切なものを入れる箱ではなく、この箱を開けることで何かを取り出す ”可能性” を収めた箱が、「satonobuhiro hitotsuhitotsu」のMORTAR BOXなのかもしれません。

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MORTAR TSUMAMI

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MORTAR TOTTE

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MORTAR BROACH 木のふしで型を取ったブローチ。

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MORTAR BROACH

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MORTAR BROACH  大磯石 洗い出し仕上げ(銅リング)。

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MORTAR BROACH (アルミ)

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MORTAR MAT

”薄いモルタル素材でできたテーブルマット
ヒビを入れて、
自由に表情をつくる”

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今回の展示では、PULL + PUSH PRODUCTS.  佐藤延弘さんの、アトリエの一角を再現していただきました。スタディーピースやスケッチなど。このコーナーに立ち、触れてみて、いろいろなことを感じていただきたいと思います。

diazo(ジアゾ) by PULL+PUSH PRODUCTS.

PULL+PUSH PRODUCTS. 佐藤延弘さんのアイディアの源泉は、”素材”そのものの興味とこだわりです。

最近生み出された、ジアゾ(diazo)、これは建築図面などの複写に用いられる青焼き印刷(ジアゾコピー)紙を使っています。この青焼きの紙は時間の経過とともに、劣化して色あせていきます。CADが発達し、デジタルコピーが可能になり、廃液の環境問題など、いくつもの要因で、もう青焼きという技術はなくなろうとしています。そんな逆境の中、あえてこの青焼きの色あせていく様子に着目したのが、diazoシリーズです。

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青焼き印刷の紙が内外全体に貼られた箱。陽を浴びると鮮やかな青色は、時間とともにゆっくりと色が変化していく箱です。

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”淡い水色の部分はクリーム色へ、濃い青色は赤紫色へと変わっていきます。

黒いパッケージは、陽を遮り時間を止めるための袋です。

袋から出したときから、箱は時を刻みます。

箱に閉じ込められた写真や手紙、開ける時はどれだけの年月を経ていますか。”

 

また、時を経て箱を開けるとき、箱の外側は陽の光を浴びて色が変化していきますが、箱の中はまだ元の青い色が当時のままに残されています。箱の中に記憶がしまわれていたのが思い起こされるように、開けた時にタイムスリップするかのように、新鮮な青色が目に飛び込んできます。

時間とストーリーが詰まった箱が diazo シリーズの箱です。

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diazoシリーズには、ノートブックと鉛筆があります。色の変化を楽しむノート。自分が、そのノートをどれだけ使っていたかが、その色具合から知ることができます。色褪せて中身のいっぱい詰まったノート、色褪せているけど中は真っ白なノート。鉛筆も同様に、使っていくうちに色が変化していきます。汚れやシミも楽しめます。何も書かなくてもストーリーが生まれるノートと鉛筆。とても不思議な感じがします。

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まだ、試作途中ということもあるのですが、diazo の鉛筆は、佐藤さんが手で市販の鉛筆に巻いています。そして、diazo のノートも佐藤さん自身が製本をされています。なんと、ノートの綴じは家庭用ミシンで縫い付けているそうです。異常に目が細かくて、びっくりしますが、この手作り感が PULL+PUSH PRODUCTS. の魅力です。

2013.11.15 (Fri) – 12.14 (Sat) PULL+PUSH PRODUCTS. EXHIBITION | inspiration |

明日の11月15日(金)より、6月の宙-sola-キューブに続く、ギャラリーの企画展示が始まります。

京都にスタジオを構え、 comado という小さなショップを持つ、PULL+PUSH PRODUCTS. です。デザイナーの佐藤延弘さん在廊日は、11月15日(金)、16日(土)、17日(日)の3日間です。展示の期間は長いですが、佐藤さんは制作でとてもお忙しく、京都のショップcomado にも通常はいらっしゃらないので、この機会に関東(全国)の方々、そして、なんと言っても蔵前のデザイナーさん達に、ぜひ来ていただきたいと願っています。

ギャラリーを始める1年前の2011年に京都の竜安寺へ行く途中に、comadoという小さなお店を偶然みつけ惹かれたのがきっかけで、今回の展示が実現しました。

そういえば、オープニングの時からお世話になっている、ガラス作家のくるみさんもアメリカへ行かれる前は京都、宙-sola-キューブの吉村紘一さんも現在は京都と、京都の作家さんとつながりは多いですね。

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PULL+PUSH PRODUCTS. EXHIBITION | inspiration |

2013.11.15 fri  – 12.14 sat

open  12:00 -19:30 wed – sat,  12:00- 17:00 sun  ※last day -17:00
closed on mon and tue

opening reception  11/16 sat  19:00 –

会場にて軽いオープニングレセプションを予定しております。どうぞお気軽にお立ち寄りください。

京都を拠点に活動するプロダクトブランド、PULL + PUSH PRODUCTS.(プルプッシュプロダクツ)の作品展を浅草橋・蔵前にあるgallery kissaにて開催いたします。本展では“素材”と”ストーリー”をテーマにモノづくりを続けるPULL + PUSH PRODUCTS.のプロダクトシリーズ「mortar(モルタル)」「PE(ペ)」の定番アイテムを展示・販売するほか、新作の発表を行います。また、 プロダクトの一歩手前にある”インスピレーション”の段階を実験的に一つひとつカタチにしていく「satonobuhiro hitotsuhitotsu」のアイテムを、スタディーピースとスケッチにてご紹介していきます。東京での久々の作品展となります。この機会に是非、足をお運び頂けましたら幸いです。

PULL + PUSH PRODUCTS.  佐藤延弘

◎本展示用に日本橋人形町の花屋KUKKAさんがアレンジメントしたモルタルプランターを限定で展示販売致します。


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ARCH PLANTER

定番のモルタルシリーズ。ほぼ全ての工程を1人でモルタル1つ1つ丁寧に作った小さな作品です。年月とともに、古ビルのように、作品に自然にひび割れが入ったり、苔が生えたりして自然と融合していく姿が、宮崎駿監督のアニメ「天空の城ラピュタ」の樹木でおおわれた城のような趣を年月とともに感じられる、すてきな作品です。

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CUBE PLANTER 墨黒色

こちらは、新作、いったい何でしょう?

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スケッチや、実験的な作品など、佐藤さんのアトリエをイメージしたコーナー。アイディアの源泉が湧き出るところを見ることができます。SDIM1065

PE(ペ) シリーズ
PULL+PUSH PRODUCTS.の佐藤さんが作り出した ”新合成素材”、 製品の元となる素材は、ホームセンターやスーパーマーケットでゴミ袋などの日用品として市販されている既製品のポリエチレン袋です。この袋の素材をアイロンで何重にも重ね合わせて厚みと強度を持たせます。

表面のゾウ肌のような質感は、まさに佐藤さんの職人技で生まれます

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左から、小松左苗さん、佐藤延弘さん、KUKKA関根正道さん

プーク人形劇場 てぶくろ+おだんごコロリン

11月10日の日曜日の朝は、新宿南口近くにある、プーク人形劇場へ人形劇を観に家族で行ってきました。

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1971年に建てられた建物だそうです。こんな素敵な建物が、新宿の高層ビルの中に生き残っていたとは、知りませんでした。コンクリートのファザードにプークの歴史が彫刻されています。古い建物なのに、大切にされているということが伝わってきます。

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開演は10:30分ですが、自由席ということで開場時間の10:00に到着。

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チケットを受け取ると、最近オープンしたという、入り口近くに併設しているカフェにご挨拶。こちらは、kafopunkto(コーヒープンクト)の店長、麦さんです。指さししているのは、カフェのご自慢のマスコット、きつねのパペット。コーヒープンクトは、プークと同じエスペラント語からとっているそうで、意味は英語でCoffee Point コーヒー・ポイントだそうです。

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チェコ(だったかな?)で購入した、お宝だそうです。色も、フォルムもいいですね。とてもかわいいです。よく見ると、麦さんに似ています。

さて、人形劇場ですが、階段を下りて地下一階にあります。前2列は子供専用の席となっています。カフェで話混んでいたら、前のほうの列は埋まっていました。続々と、沢山の親子が開演までに入ってきます。

演目は2本立てで「てぶくろ」というウクライナの民謡と、「おだんごコロリン」という創立者の弟さん川尻泰司さんの作品です。ちなみに、創立者の川尻東次さんは24歳の若さで亡くなっているので、泰司さんが実質的には人形劇団プークを育てた方ですね。Wikipediaによると、プークは1926年創立という歴史ある人形劇団だけあって、戦時中は劇団員全員が(不当)逮捕されたり、GHQに目をつけられ経営難に陥ったりと、大変な目に何度も遭っています。

人形劇の内容ですが、

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「てぶくろ」は、冬の森の中でおじいさんが落としたてぶくろに、森の動物たちが次々と入ってきて、どんどん膨れ上がって大変なことになりますが、誰も仲間外れにはならず、小さな手袋に動物たちが一緒になって入って温まる、心まで温まる話です。

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「おだんごコロリン」はお地蔵さんがいる地蔵峠でのお話で、二人のお爺さんと、酒飲みでちょっととぼけた鬼2匹、赤鬼、青鬼が登場します。ぽわんとした性格で幸運に巡り合うおじいさんと、ちょっと欲張りで角ばったお爺さんの二人。最後には、角ばったおじいさんも丸くなります。鬼が2匹も登場しますが、全然怖くありません。

子供向けの人形劇を生で観るのは、小学生以来?とにかく、ものすごい久しぶりですが、大変楽しませていただきました。2歳の息子は、人形劇の話の内容は理解できていないと思うのですが、集中して見入っていました。一体何を感じたのか気になります。

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人形劇を見終わった後、コーヒープンクでカフェラテをいただきました。素敵なラテアートがカップに描かれた、最高においしいラテでした(写真を撮り忘れた)。所で店長の麦さんは、ずっとカフェとバリスタ修行をされていて、お店を出す場所を色々探していたそうで、gallery kissaのエリア、浅草橋・蔵前あたりも真剣に検討していたそうです。何となく下町は閉鎖的かも(?)というイメージで最終的にはプークでカフェを出すことになったそうですが、kissaのご近所さんだった可能性もあるわけです。

また、人形劇とカフェを楽しみに、プーク人形劇場に足を運びたいと思いました。