ギャラリーで毎月1回行っているアートスクール、9月からは今までの大絵先生が多忙を極めて続けられなくなったため、ご紹介いただいた新しい講師を迎えてスタートしました。
新たな講師の鈴木大輔先生は、ロンドン芸術大学でファインアートを学び2011年に卒業、現在は日本を拠点として美術予備校の講師や、都内で子供たち向けのアート講座の講師も行っています。同時に、練馬にあるアトリエスペースで Space Wunderkammer というアートギャラリーも運営されているなど、多岐にわたって美術活動を精力的にされている方です。ご自身の作品は、絵画だけでなく、インスタレーションも含めた幅広い範囲の美術作品を制作されているので、アートスクールの領域も色々と広がりを増しそうで楽しみです。
9月27日(土)に行われたアートスクールは、2回に分けた自画像(デッサン)のパート1.鉛筆のみを使って、自画像のデッサンでした。
自画像を描くというのは、こういう機会でもないと描くことはないので、なかなか苦戦。思うように線が描けないのですが、鈴木先生にポイント・ポイントを丁寧に指導いただきました。
以下、この日の出来上がりと、鈴木先生のコメントです。
今回初めてM君と会ったということで、最初は緊張気味で暫く絵を描き始めてくれなかったのですが、描き始めると独特の観察方法で自分の顔を捉えて、最後は中々味のある自画像になったと思います。普段からよく見慣れている自分の顔を改めて観察すると新しい発見があります。仁也君は発見したものを素直に捉え、描いていく度に段々と良くなっていきました。次回はより多くの発見をし、さらに味のある絵にしてほしいと思います。
Aさんは自画像を今までにあまり描いた経験が無いということでしたが、自分の特徴を捉えられた絵に仕上がったと思います。引いた線にバリエーションがあって、弱い線、強い線と使い分けています。特に髪の毛の表情には線のリズムがあり髪の毛の様々な流れが良く観察されていると思います。後半に線の使い分けの意識が強くなり、画面がみるみる良くなっていきました。これから更に様々な箇所でより多くの線が使えるようになると、絵がもっと充実してくると思います。
つづいての自画像パート2は10月25日(土)に行われました。(基本的に第四土曜日にアートスクールを行っています)
自画像パート2は、前回の鉛筆デッサンに水彩絵の具で色を付けていきます。
この日はゆっきー店長もアートスクールに参戦。マスキングテープを使った、自作の絵のインスタレーション的の展示に力を注いでいました。鈴木先生のお褒めの言葉も効いて、集中力と創作意欲がわいてきたようです。
こちらが、自画像パート2の完成作品です。色が入ると立体感も出てきて、お二人ともいい感じになりました。
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以下、鈴木先生のコメントです。
M君は前回の鉛筆デッサンが顔までしか描けなかったので、今回鉛筆デッサンの続きから始めました。相変わらずの少しスロースターターですが、その分彼は 面白い物を発見し、それをじっくり観察し描く事に優れています。今回自分自身が着ていた服のロゴデザインを彼は気に入って、それを細部のアルファベットな どまで鮮明に描いています。その表現が自画像の絵の中ににある事で画面全体がとても魅力的なものになりました。自画像ではよくあることとして、顔は皆頑 張ってしっかり描こうとするのですが、身体の表現や服などは顔に比べ雑になりがちです。仁也君が誰もがあまり関心を持たない箇所に面白みを感じる事は、彼 の独特な素晴らしいセンスだと思います。次回の課題ではどのような箇所に興味を持ち、それを描くのかとても楽しみです。
今回の自画像の課題は二回に分けて行いました。一回目は自分の顔をじっくりと良く観察し鉛筆の様々な線で表現し、二回目は一回目で表現された線を活かしつつ、色鉛筆や水彩絵の具で着彩を行って自画像を完成させていきました。
Aさんは一回目の鉛筆の線に水彩絵の具で色を塗っていきました。鉛筆表現に色を加える事により、せっかくの良い線を残せず台無しになってしまう事はよくあ ることなのですが、明子さんは前回の鉛筆の線を上手く残しながら色を使う事に成功しています。水彩絵の具の持つ特性と前回の鉛筆の線が上手く調和し、柔ら かい自画像に仕上がりました。特に髪の毛の豊かな線と色の濃淡とが合わさった表現が魅力的です。絵の雰囲気も自画像である本人に何処と無く似ているように 思います。本人は水彩表現が楽しかったみたいですので、次回は異なったモチーフで水彩表現にチャレンジして頂きたいです。
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ちなみに、ゆっきー店長のインスタレーションは、時間延長で進められ、最終的にはこのように仕上がりました。
さて、次回の11月のアートスクールですが、課題は「外にお出かけをし風景を描く」となっています。
11月22日(土) 15:30~17:30 です。子供から大人まで、年齢不同のアートスクールですので、ぜひご興味ある方は飛び入りでもご参加ください。
次回の参加時に持参いただきたい物は、鉛筆、練りゴム、スケッチブック、水彩道具一式、その他各自が使用したい道具類(色鉛筆、ペン)など、となっています。