大絵 晃世さん、限界芸術大学講義

今日は、アートスクールの講師もやっていただいている、大絵 晃世さんのお話を聞きに、Trans Arts Tokyo 2013の限界芸術大学講義に行ってきました。

 

『限界芸術大学講義:格差社会・比較教育における限界芸術の重要性 ~内的価値のあるものづくりへ~』 11月4日(月)13:30- 神田錦町2-2共同ビル6階

””美術教育の現場に7年間関わりながら芸大に籍を置き、制作を続けてきた大絵は、現代の美術教育・一般教育・経済の問題点を若いなりにも考えています。
これを深く追及していくと、地方と都心の教育意識の差、資本主義経済の矛盾、二極化した家庭と不景気からくる極端な学歴重視、一般教育の競争・比較をベースとした教育法などの問題にぶち当たります。
そんな中で鶴見俊輔の定義した「限界芸術」はどのような役割を果たすのでしょう。純粋芸術の、”残っていく”美術史のサイドで、変わる事なく作り続けられている限界芸術は、ひとつのベクトルに当てはまらない、ひとりひとりの”生き方”に関わった「人知れずのものつくり」といえます。経済学者シルビオ・ゲゼルが提唱する「減価貨幣」の可能性も含めて、外的評価に惑わされない”内的価値”のあるものつくりと、地域・個人のソフトパワーを充実させることが、あらゆる比較から来る苦しみ(いじめ・鬱・社会的脱落)から脱却させるエネルギーだと考えます。

大絵 晃世””

 

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「限界芸術」という観念を知らなかったのですが、芸術とは関係ない分野で生きてきたものにとっては、非常に興味深い話でした。

さらに、後半に減価貨幣について語っていたことは、びっくりしました。丁度、モノマチの地域で、減価貨幣(地域通貨)を導入できないかと、考えていたところなので、大絵さんの博士研究テーマがそこにあったとは、驚きでした。

最終的にIMFに企画書をを出したいと熱く語っていました。恐らく、IMFなどが信用創造のメカニズムを手放すとは思えないので、銀行システムの親玉のようなIMFを変えるのは難しいだろうと考えますが、限界芸術に減価貨幣が組み込まれるのは非常に面白いと思います。

大絵さんとは、昨年藝祭で知り合ったばかりですが、いついっても、面白いことに出会えます。本当に、目が離せません。