大絵晃世 東京藝術大学修了制作展 中村三佐男こころの美術館 ~取手の風を愛して~  2013 1/26/SAT~1/31/THU

昨年の藝祭で、青山霊園を舞台にした映像作品の展示をされておられた芸大中村政人研修士2年の大絵晃世さん。とても、印象的な展示とお人柄で、気になっていたのですが、修了制作展をされるという、こんなご案内をいただきました。

東京藝術大学修了制作展
中村三佐男こころの美術館 ~取手の風を愛して~
上野展
日 時:2013 1/26/SAT~1/31/THU  9:30~17:30(入場は17:00まで)
                   最終日 9:30~12:30(入場は12:00まで)
場所:東京藝術大学 上野キャンパス 絵画棟 5F
アクセス:
○JR 『 上野駅』(公園口)・『鶯谷駅』より徒歩10分
○銀座線 ○日比谷線 『上野駅』より徒歩15分
○千代田線『根津駅』より徒歩10分
○ 京成電鉄 『京成上野駅』より徒歩15 分
取手展
日 時:2013 1/19/SAT(一日のみ) 10:00-17:00
場 所:東京藝術大学 取手キャンパス 美術学部専門教育棟 1 階拡大室
アクセス:
茨城県取手市小文間5000番地
JR常磐線 取手駅東口2番バス乗り場より
大利根交通バス「東京芸大・羽根野台北方車庫行き」乗車
約15分(運賃310円)「東京芸大前」下車
※当日学バスは 休日のため運行しておりません。ご注意下さ い。


作品の内容:

芸大取手校地の裏に住んでいる中村三佐男さんというおじいさんを取材しています。
この方は取手校地の土地を持っていた地主さんで、代々農家を営んでいらっしゃいます。
取手の土地を愛していて、農業の傍ら取手の風景を描いた素敵な油画を描いています。
私はこのおじ いさんとのコラボレーションの展示を考えました。
この方を追っ たドキュメンタリー映像を作成します。
ドキュメンタリーをゆったり観れる展示空間に、この方の絵を飾らせていただき、私も取手の風景を空間に描きます。
さらに、三佐男さんが書いた「取手芸大希望の丘」という詞に私が曲を付け、芸大声楽科出身、ハイバリトンの藤崎優二さんに歌っていただきます(映像内にて)


おじいさんの 優しいのほほんとした世界観に、思わず暖かい気持ちになれるかと思います。お茶をご用意してお待ちしております。ぜひ起こし下さい。

案内を観て、むむむ、これは、行かねばならないと思い、27日(日)に、ぼうやを連れて行ってきました。

上野駅から藝大に歩いていく途中、「旧東京音楽学校奏楽堂」の前を通ったら、丁度15:00からパイプオルガンの演奏が始まる2分前だったので、ついパイプオルガンも立ち寄って聴いてきました。後半に演奏されたくるみ割り人形の曲目など、大正時代のパイプオルガンとマッチしていてとても和やかな気分になりました。

それは、さておき…

SDIM0993  SDIM0980入「中村三佐男こころの美術館」と書かれた入り口が異常にかわいいです。中に入ると「三佐男さん新聞」なるものがあり、「文化面」と右上に描かれた誌面に三佐男さんの紹介記事が書かれています。もちろん記者は大絵さん。

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こちらが、展示風景。壁の切り絵などは、藝大のお友達などの協力により作成。地主さんだった三佐男さんが愛する藝大取手校舎近くにあるものや風景が色々とちりばめられています。

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三佐男さんの絵がかけられているイーゼルには、作品の解説が細かくかかれていて、とにかくわかりやすい!三佐男さん直筆による、戦時中の思い出などが書かれた作品解説もあり、描かれた土地の歴史や思いが伝わります。

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大絵晃世さんがたまたま取手駅近くの小さなギャラリーで目に留まった中村三佐男さんの絵に惚れ込んだことから、三佐男さんとの出会いが生まれ、取材を通して藝大取手校舎の地主さんだったことや、数々の作品を趣味で描いていることを知り、謎解きのように色々なことが中村三佐男なる人物の様々な歴史や背景が次々と発見されます。

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この修了制作展では、キュレーションに徹して中村三佐男さんの作品を個展を開催するという、一風変わった制作展ですが、本当に心地よい空間に仕上がっています。

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所で、中村三佐男さん、ずっと絵を描きたいという願望をお持ちだったようですが、奥様が大変厳しいお方で、お金にならないようなことは禁止され、奥様が生前は絵を描くことはなかったそうです。奥様が亡くなられ、70を超えてから絵を描きはじめたというのですが、クオリティが半端ない。とても素敵な絵を描かれるおじいさまです。

ちなみに、奥手にぼやけて写っているのが大絵晃世さん(すみませんこんな写真しかなくて!)

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ソファーの前では、大絵さんによる三佐男さんのインタビュー映像が流れています。最後に三佐男さん 作詞、大絵晃世さん 作曲、藝大声楽家出身の藤崎優二さんによる歌が流れます。この詩がまた、取手の土地、農と藝大の学生への愛を感じるとても素敵な詩でした。

ソファーに座ると、ココアやら、クッキーやらチョコやらを出していただき、かなり快適でした。いつも、大絵さんは、ご自身の作品の解説がとても丁寧にされるので、非常にわかりやすくて楽しめます。

ソファー左手にある、2匹のヤギの絵がまたすばらしいのです。大絵さんが三佐男を知ることになった、絵だそうです。三佐男さんが昔飼われていたヤギの絵だそうです。

そういえば、部屋の上の方に大絵さんが描いた三佐男さんの大きなドローイングがあったのですが、これも写真に収めるのを忘れてしまいました(アチャー)。

ぼうやが、ぐずってきて限界が来たというのもありますが、 大絵晃世さんの修了制作展を観て、大分満足したので、これだけ観て家に帰りました。

今は藝大の博士課程を目指しているそうです。今後のさらなるご活躍が期待されます。

この修了制作展は1月31日までです。